地球上には、単なる地理的な座標ではなく、これから来る時代を見張る「番人」のような場所があります。北極もそのひとつです。壊れやすく、それでいて力強い生態系。地球の熱の鼓動であり、気候変動が他の地域の3倍の速さで進んでいる場所。人間の生理に挑みかかるような流氷と気温のなかに、人類の未来が描かれています。
緊急性と発見が同居するこの舞台で、75°06'S は Tara Ocean Foundation の次のミッションを支援します。ヒーロープロダクトである Cooperation Suit は、もっとも過酷な状況で機能するように設計された装備です。海を理解し、守るために日々活動する人々のために、このスーツを提供します。
Tara Ocean Foundation とは
Tara Ocean Foundation はフランスに拠点を置く、海洋保護に特化した先駆的な非営利団体です。創設者であるファッションデザイナーのアニエス・ベーと、その息子エティエンヌ・ブルゴワの「海は地球上の生命に欠かせない」という信念から生まれ、20年以上にわたって海洋生物を守るための活動を主導してきました。
2025年4月に完成した漂流式の研究ステーション「Tara Polar Station(タラ極地基地)」の始動にともない、財団はいま、生物学者や海洋学者を含む科学者の国際的なコミュニティを結集しています。
なぜ支援するのか
D-Air Lab の技術遺産から生まれた 75°06'S にとって、こうしたパイオニアを支えることは商業的な判断ではなく、価値観に根ざした責務です。Tara の使命が生物多様性の保護と気候リスクの予測であるなら、75°06'S の使命は、その知識をもっとも過酷な状況でも安全に手に入れられる「道具」を提供することです。
パートナーシップの中心にあるのが Cooperation Suit です。もともと南極探検を支えるために生まれたこの技術的な鎧は、いま北へと「航海」しています。2025年11月から2026年1月にかけて、-20°C のフィンランドのフィヨルドで、12の国際研究機関から集まった約20名の科学者とクルーがこのスーツを実地でテストしました。
Cooperation Suit というシステム
これは単なる衣服ではありません。危機にさらされた環境の研究を専門とする組織 UNLESS と共同で設計された、高度な保護を備えたモジュール式のシステムです。Cooperation Suit は、「空気は自然の断熱材である」という、素朴でありながら高度な物理の原理を活かしています。
6段階の相乗的なレイヤー構造により、このスーツは -80°C までの快適性と可動性を保証します。自然が人間の存在を拒んでいるかのような場所でも、研究者が作業を続けられるように。
この哲学は、北極圏でのテストで検証されたすべての技術的なディテールに表れています。
- ミニマルな効率性:より少ない素材でより多くを守る。かさを減らし、科学者の機動性を最大化します。
- 責任ある設計:自然への敬意なしに研究はできません。環境負荷の少ない再生繊維を使用しています。
- 生理学的研究:製品開発は、極度の寒さに対する身体の反応についての医学的研究に基づいています。科学データを日々のパフォーマンスへと変換します。
2045年までの長い視線
なぜ、これほどのエネルギーを極地プロジェクトに注ぐのでしょうか。答えは、Tara Polar Station の野心にあります。2045年まで北極を継続的に観測し続けること。収集されたデータは、2050年に向けたヨーロッパの気象モデルを精緻にし、世界の海洋管理政策を導く助けになります。
75°06'S にとって、このコラボレーションはブランドの核心そのものです。パフォーマンスは研究から生まれ、卓越性は目的ではなく、厳密さの当然の帰結である、という信念です。
いま世界の果てで科学の成果を守っているエンジニアリングは、同時に、時代を超えた美学の基準を定めています。75°06'S のウェアは、極地研究から生まれたテクノロジーを統合するだけではありません。地平線を「境界」ではなく「始まり」として受け入れる人々の姿勢を受け継いでいます。




Photo: ©Maéva Bardy – Fondation Tara Océan