バイク用ジャケットは、バイクで走るために最適化された服であり、そのための機能をいくつも備えています。
機能の具体例としましては、風が直接肌に当たるのを防ぐ【防風性】、転倒の際などに衝撃を和らげる【緩衝性】、降雨に対応する【防水性】、夏季のライディングを快適にする【通気性】などがあげられるでしょう。また、スタイリッシュに見せる【ファッション性】も機能の一部ではないでしょうか。
これらは同時にすべてを満たすわけではありません。 たとえば防風性と通気性は相反するものです。 つまり、バイクに乗るときに選ぶジャケットは、季節や目的、走り方によって変わります。
今回は、バイクジャケットを選ぶ基準や、おすすめのジャケットなどを解説します。
バイクジャケットの種類
バイクジャケットは、季節、バイクの種類、走り方などによって選ぶべき機能が違ってきます。同じ夏に走る場合でも、ツーリングの目的地、帰りの時刻などによってジャケットが変わってくることもあるでしょう。
バイクジャケット選びの基礎知識として、まずはジャケットの種類を解説します。
メッシュジャケット
夏季に通気性をよくするため、ナイロン製のメッシュ(網目)生地が多く使われているジャケットです。
同時に緩衝性を確保するため、肩・肘・胸のファスナー部は厚い生地で補強されているものが多く、プロテクターを内蔵できるタイプもあります。
通気性が非常によいので、雨に濡れたり標高の高い場所を走ったりするとかなり寒く感じられるでしょう。 そのため、突発的な雨にも対応できるようにレインウェアを常備しておくと安心です。
また、炎天下ではメッシュ生地が肌に貼り付いて不快な思いをするため、通気性に優れたインナーや長袖Tシャツを着るのがよいでしょう。 これで、夏も快適に走れますよ。
ウィンタージャケット
ウィンタージャケットは防寒性能を高めたジャケットで、生地は風を通しにくいナイロン、フェイクレザー(合皮)、それらの複合とさまざまです。
袖や裾は風が入らないような作りになっているものが多く、サイズはボタンやベルトで調節できます。 裾が長めのタイプは、防寒性能も高くなるでしょう。
寒くても、とにかくバイクで走りたいライダーには必須のジャケットです。 あまり着込むと身動きしにくくなるので、防寒性と快適性を両立させるのがポイントです。
オールシーズンジャケット
炎天下の夏場を除き、通年で着ることができるジャケットです。
素材はナイロンやフェイクレザーなどで、内側には温度調節用に脱着できるインナーがついているタイプ、襟部分が脱着可能なタイプがあります。 春、秋、冬はインナーなどの組み合わせで対応できますが、メッシュ部分はないので通気性はよくありません。
夏の炎天下ではさすがに暑いですが、 春・秋・冬に向いており、バイク初心者が1着目に選ぶジャケットとしておすすめです。
レザージャケット
素材が皮革のジャケットで、色はブラックやブラウンをはじめさまざま。最もライダーらしいスタイルになります。
プロテクション性は高く、路面に体が擦れてもしっかりガードしてくれるでしょう。 また、着れば着るほど風合いや味わいが増してビンテージ感が出てきます。
注意点は、専用オイルを塗ってしなやかさを維持し、かびを生えさせないことといえるでしょう。 雨に濡れたあとは陰干しでしっかり乾燥させることも大切です。
意外に冬の防寒性は低いので要注意。 似合うバイクはネイキッドやアメリカン。価格は高めですが、ぜひ1着は持っておきたいジャケットです。
レーシングジャケット
レーシングスーツのイメージで作られたジャケット。 素材はレザー、フェイクレザー、ナイロンとさまざま。
文字・ロゴ・ワッペンなどがレイアウトされ、カラフルな外観となっています。 反射素材がストライプ状にデザインされているものも多いのが特徴です。
レーシングジャケットの種類としては、3シーズンタイプとメッシュタイプがあります。 ただし、デザイン優先のため、防寒性はあまり高くなく、スリムにできているため中に着込む服も制限されるでしょう。
似合うバイクは、SSをはじめ、スポーツネイキッドです。 カラフルかつスタイリッシュに、街や峠を駆け抜けたいライダーにおすすめのジャケットです。
ナイロンジャケット(テキスタイルジャケット)
ナイロン素材のオールマイティに使えるジャケット。
軽量で防水性・防寒性にも優れているジャケットも多く、カラーリングも豊富。また、価格がレザージャケットなどと比べて安いなど、メリットが多いのが特徴。
プロテクションパッドやインナーの装着もしやすく、安全面のコストパフォーマンスは高いといえるでしょう。
バイクジャケットを活用するメリット
ライディング時にライダーを風・雨・熱などにさらされます。ジャケットには、これらの環境からライダー守るだけでなく、転倒時の衝撃を和らげる機能も必要です。
バイクジャケットは、これらの性能が高められた「機能ウェア」なのです。
風の影響を受けにくい
バイクで走るとき、季節・天候・時刻にかかわらず、ライダーは風の影響を受けます。 バイクジャケットはまず、風からライダーの体を守る働きがあります。
ひとつは、ライダーの体温を一定に保つ防風性です。防風性能を高めるため、素材には風を通しにくいナイロンやレザーなどが使われます。
もうひとつは、風でばたつかないことです。 バイクジャケットのスリムなデザイン、厚みのある生地、フードがないこと、ポケットにファスナーがあることなども、ジャケットのばたつきを抑えるためです。
なお、夏用のメッシュジャケットは、風の影響を積極的に利用したタイプだともいえるでしょう。
転倒時体を保護してくれる
バイクで走るとき、つねに転倒の可能性は考えておく必要があります。レザー素材のジャケットは、転倒時に路面で体が擦れるのを防いでくれます。
さらに、バイク用のジャケットは、転倒時の衝撃や摩擦から身体を保護するためのプロテクターを内蔵できる作りとなっているのです。プロテクターの位置は、肘、肩、背中、胸部となります。 肘と肩のプロテクターは関節を保護するためで、関節は転倒したときに大きな衝撃を受けやすく、またケガしやすい部位です。
背中と胸部のプロテクターは、生命維持に欠かせない脊髄、心臓、肺を保護するためのものとなります。 プロテクション機能は、バイクジャケットとして求められる最も大切な機能であるといえるでしょう。
バイクジャケットの選び方
ライディングに欠かせないバイクジャケットですが、購入する際には、何を優先させるかで選ぶバイクジャケットは変わってくるでしょう。
選び方のポイントとしては、安全性や機能性、あるいはスタイル、素材などです。 また、一年のどのシーズンをメインに走るかなど、走りのスタイルでも変わってくるでしょう。
素材で選ぶ
バイクジャケットの素材には、レザー(本革)、フェイクレザー(合成皮革)、ナイロン、ポリエステルなどがあり、それぞれ長所と短所があります。
重厚さやビンテージ感を求めるならレザー、手軽にレザーの雰囲気を楽しみたいならフェイクレザーとなるでしょう。ナイロンやポリエステルのジャケットは価格も安めで、防寒性も高いです。
それぞれの素材の特徴を把握し、季節に合わせて素材を選ぶのもおすすめです。
安全性で選ぶ
ジャケット選びにおいて、転倒したときにライダーの体を守ってくれる安全性は、重要な視点のひとつです。
素材で最も安全なのは、耐擦過性に優れたレザーで、それにプロテクターを内蔵すればさらに安全性は高くなるでしょう。ナイロンやポリエステルでも、プロテクターがあるかないかでは、安全性は大きく違ってきます。
安全性を重視して選ぶのであれば、プロテクターを内蔵できるジャケットを選ぶのがよいでしょう。
機能性で選ぶ
バイクジャケットには、防風性、防寒性、防水性などのさまざまな機能があります。 走る季節、目的地、ツーリングの日程などによって、これら機能のうち何を優先させるかでジャケット選びも変わってくるでしょう。
一般的に夏のツーリングならメッシュジャケットが第一候補となりますが、走る時間帯や行き先によっては、メッシュ以外のチョイスも候補のひとつとなります。
冬場に走るならウィンタージャケットが第一候補となりますし、一日の気温変化が激しい春や秋では、インナーを取り外しできる3シーズンジャケットが活躍するでしょう。
デザインで選ぶ
ジャケット選びにおいて、デザインも大きな要素となります。たとえば素材や機能が似通った2枚のジャケットで迷った場合、デザインで選ぶのもおすすめです。逆に、デザインに一目惚れして衝動買いしてしまった、という場合もあるかもしれません。
ジャケットのデザインや作りからライダーのこだわりが感じられるジャケットも素敵です。
バイクは車から認識されにくい場合があるので、周囲からよく見える目立つデザインのジャケットは、安全性の向上にもつながります。
夏におすすめのバイクジャケット
夏場に走るときにおすすめのダイネーゼジャケットを3種類ご紹介します。
いずれもメッシュ素材を使用したジャケットで、脱着可能なインナーを内蔵したものも。ビビットカラーのデザインならば、他車からの視認性も上がって安全性の向上にもつながります。
{{ summer-jacket }}
冬におすすめのバイクジャケット4選
ダイネーゼでは、冬用にも優れたジャケットをラインナップ。 それらのうちから新作や売れ筋アイテムをご紹介します。
素材はテキスタイルからゴアテックスと豊富で、CE基準をクリアしたプロテクターを内蔵した、デザインと安全性に優れたジャケットです。
{{ winter-jacket }}
バイクジャケットを着用し、ツーリングを楽しもう
バイクジャケットの大切さがおわかりいただけたと思います。体がむきだしのバイクだからこそ、安全性や防寒性に優れたジャケットを必ず着用したいものです。
ダイネーゼでは、他にも優れたジャケットを多数ラインナップしています。 はじめのうちはパッドなどが窮屈に感じられるかもしれませんが、すぐに慣れるでしょう。
体になじんでくれば、バイクライフが今までよりもいっそう、安全に楽しくなることは確実です。