プロテクターはライダーの身を守る最強の盾。
とは言われても、実際に着込むとゴワゴワして動きにくいし、ウエアのラインが崩れてかっこ悪くなるし、自分は危険な運転なんてしないから必要ないかも…。
なんて、プロテクターの必要性に疑問を感じたことはありませんか?
初心者であればなおさら、ヘルメットやグローブなど、バイクに乗るための装具をたくさん揃えるためにコストもかかって、ついついプロテクターは後回しになりがちです。
でも、本当にそれで大丈夫なのでしょうか?
なぜ、バイクに乗るときにはプロテクターを装備すべきなのか?
その必要性をお届けします。
バイクプロテクターは必要?
バイクは、いくら自分が気をつけて安全運転をしているつもりでも、もらい事故や路面状況などといった外的要因により、不意に怪我をしてしまう可能性が大きい乗り物です。
それは警視庁から発表されている自動二輪の事故データの数字を見たら一目瞭然。
プロテクターは安全なライディングの必須アイテム
警視庁が2022年3月に発表した「令和3年における交通事故の発生状況」の「状態別死傷者数の推移」によると、全体の死傷者数は364,767人で、前年度から2%減少しているにも関わらず、自動二輪車乗車中(原付きを除く)の傷者数については23,437人と、前年度の23,201人から1%増加しているという残念な結果が出ています。
このことから、クルマのように外装もなく、身体をむき出しにして走るライダーは、重大な怪我や死亡につながる事故から、身体を守るべく装備をしっかりと心がける必要があるということが解りますよね。
バイクに乗るときにはヘルメットの装着が義務つけられていますが、実はこれだけじゃ足りないんです。
意外と多い頭部以外の怪我
バイクでの死亡事故の原因となる、身体の主な部分のトップ3(2021年度)は、頭部62.9%、ついで胸部17.1%、腹部5.7%となっています。 この数字を見ると、ヘルメットだけでは足りないことが解りますよね。
頭部以外にも、胸部と腹部を守る必要があるんです。
特に、胸部へのダメージが深刻で、強い衝撃を受けることにより、肺や心臓といった人体の重要な臓器が破壊され死亡してしまうことが多く、このことが問題視され、近年胸部プロテクターの装着が強力にプッシュされています。
しかし、胸部プロテクターの装着率はわずか8.6%(2021年9月〜10月・警視庁調べ、調査人数 3,162人)とのこと。
毎年微増してはいるものの普及率はまだまだ。
特に、街乗りでの胸部プロテクターの装着が重要視されています。 ライディングジャケットに標準装備されているものも増えてきましたが、胸部プロテクターはあと付けしなければならないものがほとんどです。
このあたりも普及率が低い理由のひとつかもしれませんが、面倒くさい、じゃまくさい、かっこ悪い…、なんて理由は命の重さと天秤にはかけられません。
プロテクターを付けていたほうが、かっこいいとは思いませんか?
バイクプロテクターの種類って何がある?
ひとことにプロテクターといっても、素材やアイテム、装着タイプまで、いろいろな種類がありますよね。
どれを、どう選んでいいのか、それぞれの違いを把握することにより、その役割や必要性が見えてきます。
1. 素材による違い
テクノロジーの進化により、プロテクターにはさまざまな素材が採用されています。
主な目的は、衝撃を吸収または逃して緩和すること。
一般的にはハードタイプとソフトタイプがありますが、装着する場所や目的によってもその役割は異なってきます。
ひと昔前までは、ハードタイプの方が安全性が高いとされていましたが、今はソフトタイプでも衝撃を受けるとハードになるハイブリットタイプが存在し、どちらも素材によっては優劣がつけにくくなっています。
その他に、エアバッグが進化して、バイク乗りにも身近な存在になってきました。
ハードタイプ
ハードタイプとは言葉の通り、硬い素材がメインに使用されており、一般的には安全性が高いとされています。
ハードとはいえ、身体の形に合わせて成形されているタイプから、細かいパーツを重ねて成形したタイプまで形もさまざま。
身体へのアタリや動きやすさなどを考慮し、いろいろな素材を組み合わせて作られているのが特徴です。
脊髄などしっかり守りたい部分にはハードタイプがおすすめです。
ソフトタイプ
柔らかい素材でできているプロテクターで、装着感があまりなく動きも制限されにくいため、初心者の場合はまずはこちらから試してみてもいいかもしれません。
素材もメッシュや、肩・肘・膝などの場所に合わせた形状に整形されたもの、ソフトタイプなのに、衝撃を受けた瞬間にハードタイプに変化するハイテク素材を採用したものなど、いろいろなタイプが用意されています。
安全性や特徴はそれぞれ異なるので、その特徴を吟味したうえで選ぶようにしましょう。
エアバッグタイプ
最高基準のプロテクションを装備できるアイテムとして、今一番注目したいのが、着るエアバックです。
普段のジャケットと一緒に着込むだけで、衝撃を受けた際にさまざまなセンサーが反応してエアバックが膨らみ、身体を守ってくれます。
高度なテクノロジーが搭載されているので、まだまだ気軽に購入できる価格にはなっていませんが、エアバック搭載がスタンダードになる日はそう遠くないはずです。
2. 装着部位の違い
転倒した際に、怪我をしやすい部分別にプロテクターがそれぞれ用意されています。
上半身は肩、背中、肘、胸、首。
下半身は、腰まわり、膝、臀部などがあり、ここでは、代表するプロテクターの一部をご紹介します。
胸プロテクター
胸部を守るためのプロテクターは、「胸部プロテクター」や「チェストプロテクター」と呼ばれ、左右に別れているセパレートタイプと一体型があります。
素材もソフトからハードまでさまざまなタイプがあり、装着するにはライディングジャケットだったら専用のポケットがついているものを選ぶ必要があり、専用ポケットの無いジャケットには、ハーネスやバックルベルトが付属しているタイプ、または本体とは別にハーネスが別売りになっているタイプをウエアの中、または外に装着するようになります。
さらには、ジャケットに装着するためのベルクロやボタンなどを取り付ける方法も。
最近ではライディングジャケットに標準装備されることが多くなっています。
バックプロテクター
背中に装着するタイプのプロテクターは「バックプロテクター」、「脊髄プロテクター」と呼ばれ、脊髄を守るための役割を担っています。
脊髄の損傷は重大な後遺症や致命傷を引き起こすリスクが高いため、背骨を中心に、背中全体を保護する形となっており、胸プロテクターと同様にこちらも重要視されているため、たくさんの種類があるのが特徴です。
街乗り、高速ツーリング、サーキット走行など、走行レベルによってタイプを選択できるようになっています。
肘プロテクター
関節を守るためのプロテクターで、肘用は「エルボープロテクター」とも呼ばれます。
特に肘は、転倒した時に打ち付けやすい部分でもあるため、保護をしておいたほうが安心。 また、関節だけを保護するものから、前腕までを保護するロングタイプも用意されています。
関節を守るといえば、肩もバイクから投げ出された時に打ち付けやすい場所となりますので、ショルダー(肩)プロテクターの必要性も考慮してください。
膝プロテクター
バイクに乗っていないときでも転ぶと膝をついてしまう確率は大きいですよね。
特に膝の怪我は治りが悪いと言われています。
だからこそ膝パットや膝プロテクターは装着しておいたほうが良いでしょう。
さらには、気がつくと足の脛に痣ができていたなど、膝から下はバイク乗りにとっては怪我をしやすい場所でもあります。
膝はもちろんのこと、脛まで保護するタイプのプロテクターが用意されているので、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。
3. ウェア内蔵タイプと単体タイプ
ここまでいろいろな部位のプロテクターを紹介してきましたが、これらのプロテクターをどのように装着すべきか迷ってしまいますよね。
実は、バイクのプロテクターには、ライディングウエアに標準装備されているウエア内蔵タイプと、後から取り付けたり、付け替えができる単体タイプがあります。
お手軽にプロテクターをゲットしたいなら、ウエア内蔵タイプがおすすめです。
ウエア内蔵タイプは、プロテクター込みでウエアのデザインが考えられているので、見た目もスッキリスマートに、サイズ感で悩むこと無くプロテクターを簡単に装着できるのが魅力です。
プロテクターを吟味してこだわりたい、またはウエアにプロテクターが付いていない場合は単体をいくつか選んでアレンジすることが可能です。
プロテクター単体タイプには、一体型、さらにはインナータイプなどがあるので、暑い夏にはメッシュのプロテクターに付け替えるなど、季節や走行するシーンによって付け替えたり、普段のジャケットにも流用することができるので、ファションを楽しむことができるのが魅力。
それぞれに違う魅力があるので、好みにあわせて選んでみてはいかがでしょう。
バイクプロテクターを選ぶポイント
安全のためにプロテクターを装着しているというのに、その意味が無かったらがっかりしちゃいますよね。
そんなことがないように、プロテクターを選ぶ時に役立つ目安をご紹介します。
ポイントは安全規格とバイクでどんな楽しみ方、走り方をするか…です。
1. CE規格のプロテクターを選ぶ
CE規格とは、ヨーロッパ連合で販売する工業製品に必要な安全規格のこと。
この規格が通っていないと、ヨーロッパ界隈で製品が販売できません。
なぜこのヨーロッパの安全規格が基準になるのかというと、日本にはプロテクターに対する公的な安全基準がないからなんです。
そのため、日本でもプロテクターはこのCE規格が安全性を図る目安とされています。
しかしながら、日本国内でしか展開していない商品の場合は、EC規格を取っていないこともありますし、日本で保証されている規格というわけではありませんので、あくまでも”目安”となります。
とはいえ、厳しいヨーロッパでの規格をクリアしているということは、それだけ安全性にこだわった製品ということなので、EC規格のプロテクターを選ぶことをお勧めします。
CE規格は、製品によって項目が細かく別れており、EN1621がプロテクターの基準となります。
EN1621-4はエアバッグ、EN1621-2がバックプロテクター、EN1621-3が胸プロテクター、EN1621-1がその他のプロテクターとなっており、さらにはその衝撃吸収の度合いによってレベル1とレベル2に分類されています。
2. 走行シーンに合わせて選ぶ
何が何でもハイスペックのプロテクターを全身に付けておけば問題なし、とも言えますが、それだと負担になってしまうこともあります。
ライディングウエアと同じように、プロテクターも用途に合わせて選ぶと、安全性がより高まり、ライディングも快適になります。
レースやサーキット走行を楽しみたいのであれば、最高スペックのプロテクターを装備する必要があり、高速道路を走る場合は、外的要因や長時間の装着に耐えられるような高スペックのプロテクターをフル装備(肩・肘・胸・脊髄・膝、オフロードの場合は首も)した方が安心。
トコトコ下道ツーリングを楽しみたいなら、中くらいのスペックのプロテクターを。
街乗りや通勤でも、簡易的なソフトタイプでも良いので、胸と背中には最低でもプロテクターを装備しておいたほうが安全です。
自分の走るスピードレンジ(走行速度)や距離に合わせて選ぶのがおすすめです。
種類別!おすすめのバイクプロテクター
ここからは、具体的におすすめのプロテクターを紹介します。 どんなプロテクターが必要なのか、種類別にピックアップ。
大切なことは、サイズ選びを間違えないこと。
サイズが合っていないと、窮屈になってしまったり、動き辛くなってしまったり、適切な場所に装着されないがために、痛みを生じてしまったり、機能しなかったり…と、小さすぎても大きすぎても、つけている意味がなくなってしまいます。
できることなら試着をして、ジャストサイズを選ぶようにしてください。
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ダイネーゼであなたに合ったバイクプロテクターを見つけよう。
いかがでしたか? バイク乗りにはプロテクターが必須、ということがおわかりいただけたかと思います。
自分で自分の身を守ることができるライダーを目指してみてはいかがでしょうか。
ダイネーゼでは、さまざまなプロテクターをご用意しております。
世界で初めてバックプロテクターを開発したダイネーゼならではの安心をお届けします。
また、専門的なトレーニングを受けたスタッフが、用途やサイズに関するご質問にもお答えいたしますので、お気軽にお問い合わせください。