バイクに乗るとき、ジーンズを履くライダーは多いでしょう。
ジーンズのメリットとしては生地が丈夫であり、さまざまな上着に合わせやすいことなどがあげられます。
しかし、通常のジーンズにはプロテクターがないため、バイクで転倒したときの強度としては不十分です。
また、ライディング用には設計されていないため、窮屈に感じることもあるでしょう。
今回は、バイク用ジーンズについて解説するとともに、おすすめのジーンズを3点ご紹介します。
どのジーンズも目立たないようにプロテクターが内蔵されており、バイクを下りたときで
も違和感のない優れたデザインが特徴です。
目立たない膝プロテクターはバイク用ジーンズがおすすめ
プロテクターと聞いて、多くのライダーは真っ先に膝のプロテクターを思い浮かべることでしょう。
転倒したとき、膝は最初に路面と接触する可能性が高く、かなりの衝撃を受けます。くわえて、ケガの治りが遅かった場合、のちの生活に大きな支障をきたすことになるでしょう。
これらの理由からも、ライダーにとって膝プロテクターの重要性はおわかりになるかと思います。
しかし、プロテクターで体を守りたい一方で、バイクを下りて食事したり街を散策したりする際には、スタイリッシュにきめたいのも事実でしょう。
これら双方の要求を満たすのが、プロテクターを目立たないように内蔵したジーンズです。
今では超高分子ポリエチレン素材を使ったプロテクターが内蔵されたジーンズが開発され、軽さとしなやかさ、強度をあわせ持っており、見た目のデザインもスマートです。
バイク用ジーンズを選ぶメリット3選
バイク用ジーンズを選ぶメリットは、ライディングが快適かつ安全になるということです。 また、見た目はジーンズですから、バイクに乗っていないときも違和感がありません。 以下、バイク用ジーンズのメリットを解説します。
普通のジーンズよりも安全性が高い
バイク用ジーンズをおすすめする理由のひとつは、安全性です。
一般的なジーンズとの最大の違いは、内蔵された膝パッドでしょう。
かつての膝パッドは一枚の「皿」状のハードタイプでしたが、今では超高分子ポリエチレンをメッシュ状に成形した膝パッドとなっており、強度と通気性を両立しているのです。
そして、同じ素材のパッドが、転倒時に腰を守る機能として左右の腰にも内蔵されているジーンズもあります。
それを支えるのは、丈夫なジーンズの生地と、縫い目の少ないシームレス構造です。
バイク用ジーンズは、転倒の衝撃や摩擦に耐えるために、縫い目や段差が少なく、生地も厚めにできています。
さらに、車体と擦れる内ももや、エンジンの熱気を直接受ける膝下部分はジーンズ生地が補強されているのです。
バイクには常に転倒するリスクがつきまといますから、もしも転倒したときのために、安全性の高いジーンズを常用しておきましょう。
普段の服装に合わせやすい
ライディングウェアとして最も安全なのは、革ツナギでしょう。
しかし、首からつま先までカラフルな革ツナギで飲食店に入ったり、街を歩いたりするのは、場所によっては目立ち過ぎてしまうでしょう。黒や茶色の革パンツなら違和感は少なくなりますが、通気性の問題から夏場には適しません。
その点ジーンズなら、レザーやナイロン製ジャケットとマッチし、食事の場面や街歩きにも自然に溶け込めるうえに、通気性の問題も解決します。
さらにジーンズは、SSやネイキッド、アメリカンなど、さまざまなタイプのバイクにもマッチする優れものといえるでしょう。
いわばバイク用ジーンズは、普段着とライディングの両方に使えるハイブリッドなジーンズです。
カジュアルウェアの代表とも言えるジーンズが、バイク用として安全性を高めた装備を持てば、まさに一石二鳥といえます。
ライディングに適した設計のため疲れにくい
バイク用ジーンズを選ぶメリットとして、裁断のときから通常のジーンズとは異なった構造をしていることです。
通常のジーンズは、人が立ったり歩いたりする姿勢を前提に裁断されています。
そのため、このジーンズでバイクにまたがると、膝や内ももがきつく感じたり、動きにくく感じたりするでしょう。
一方で、バイク用ジーンズはバイクにまたがることを前提として設計されたズボンであるため、太ももの部分がゆったりとした作りになっています。脚や関節の動きを妨げることなく、安全でスタイリッシュなズボンを実現したのが、バイク用ジーンズなのです。
バイク用ジーンズを選ぶ際の5つの注意点
では、バイク用ジーンズを選ぶ際には、どのような観点で選べばいいのでしょうか。せっかく購入するのですから、いいものを選び、長く、大切に使いたいものです。
ジーンズ選びの具体的な方法について解説していきたいと思います。
生地の厚さなど安全性で選ぶ
バイク用ジーンズ選びで最も重視したいのは、生地の厚さをはじめとしたジーンズ自体の安全性です。
転倒したときのダメージをわずかでも少なくするには、生地の厚さが重要になってきます。また、生地が厚ければ風によるズボンのばたつきも軽減されますし、夏はエンジンの熱風を防ぎ、冬は冷たい風からライダーの脚を守ってくれるでしょう。
そして、プロテクターが内蔵されていることも、安全面から重要なポイントといえるでしょう。
プロテクターは体が路面に衝突したときのショックを和らげ、路面をスライドするときは体をガードしてくれます。
そして、ジーンズを洗濯するときのことも考慮して、内蔵されているプロテクターは取り外しできるものを選びましょう。
機能で選ぶ
プロテクター以外に、バイク用ジーンズに付属していると便利な機能について解説します。
まずはリフレクターです。
ステッチ(縫い目)部分、足首の後ろ側など、場所はさまざまですが、後続車からの視認性を高めるリフレクターは安全性を高める意味でも重要な機能でしょう。
また、天候や気温変化にも柔軟に対応できる機能もあります。
ジッパーで開閉できるベンチレーション機能があれば、春や秋、朝晩の気温変化が激しい季節に重宝するでしょう。
防水や撥水機能があれば、通り雨はもちろん、長時間の雨でも快適に過ごせます。
他には、伸縮とデザインを両立させるシャーリングなどさまざまな機能があるので、自分のライディングスタイルに適した機能を兼ね備えたバイク用ジーンズを選びましょう。
季節に合ったものを選ぶ
ひとえにバイク用ジーンズといっても種類が豊富にあるため、季節に合わせて使い分けることもできます。
春から秋は通常のバイク用ジーンズで対応できるでしょう。
夏は暑いですが、走り出せば涼しくなりますし、綿のジーンズは汗を吸いとってくれるため、ナイロン製パンツより快適です。
冬は寒いですが、起毛タイプのジーンズ、風を通さない素材をはさんだジーンズなどがあり、デニム表地・ウインドガード中間層・起毛の内側が保温層を作って外気の寒さをガードします。
また、ストレッチ構造を採用しているジーンズであれば、寒さで固まりがちな関節の動きもサポートしてくれるでしょう。
それでも寒いときは、ナイロン製オーバーパンツをはくことで寒さをほぼシャットダウンできます。
窮屈すぎないものを選ぶ
「人馬一体」と言われるように、バイクは体全体を駆使して走る乗り物です。
とくにSSでは、コーナーリングで体重移動を行うことが多くなります。
その際、動きやすいこと、窮屈でないことは、ライディングの快適さや安全性に大きく関係してきます。
その観点で言えば、動きやすいことはマストといえるでしょう。
しかし動きやすさを優先した大きいズボンでは、見た目もスマートではありませんし、場合によっては膝パッドがずれたり、ステップに引っかかったりして危険な状態をまねきます。
つまりバイク用ジーンズは、動きやすく、体に適度にフィットし、そのうえで適度に余裕のがあるサイズがベストになるでしょう。
ストレッチ素材なら、さらに動きやすくなりますが、綿100%ジーンズのほうが強度は高くなります。
ストレッチ素材を選ぶかどうかは、好みで決めていいでしょう。
なお、裾上げの長さには十分注意してください。
バイクにまたがると、裾は思っているよりずり上がってしまうものです。
走っている間にさらに上がることもあります。
裾上げのベストな方法は、お店でジーンズをはいてバイクの乗車姿勢を取り、「長すぎる」と感じるぐらいの寸法にします。
わからないときはショップのスタッフに聞くのがいいでしょう。足首がむきだしになって夏はエンジン熱、冬は寒気の直撃を受けてしまい、快適性が下がるうえに危険です。
好みのデザインで選ぶ
バイク用ジーンズを選ぶ最後のポイントは、デザインです。
ネイキッド、アドベンチャー、SS、アメリカンなど、乗っているバイクのタイプ、カラーリングやグラフィックで、合わせるファッションも違ってきます。
ライディングウェアもバイクに合わせてコーディネートすれば、格好いいですね。
バイク用ジーンズも、そうした観点で選べば楽しくなります。
ジーンズですから、ベーシックなインディゴ(紺)、グレー、ブラックなどがあります。
全体のシルエットは、スリムタイプがいいでしょう。
裾が風でばたつきませんし、ステップに引っかかることもありません。
見た目もスリムでスマートです。
柄があるかどうかは、純粋に好みで選びましょう。
バイク用ジーンズは安全基準が担保されたものを選ぼう
「CE規格」とは、EU(欧州連合地域)で販売される製品において、一定水準以上の安全性能を持つことを証明する規格です。
製品についている【CEマーク】がその証明で、対象となるものは、産業機械、医療機器、家電製品から玩具におよびます。
バイク用品においては、胸部や膝のプロテクター、ジャケット、パンツなどがCEマーキングの対象となっています。
一定の安全性が保証されているため、ジーンズ選びにおいても【CEマーク】がついている製品を選ぶのがおすすめです。
おすすめのバイク用ジーンズ3選
次に、CE規格を満たしたバイク用ジーンズを3点ご紹介します。
価格は高めですが、いいものは作りが細部までしっかりしているのが特徴です。
長く使えば体にもフィットし、愛着もわいてきます。
安全なジーンズをはくことは心理的余裕にもつながるため、バイク用ジーンズ選びの参考にしてください。
DENIM SLIM TEX PANTS
ダイネーゼECショップでも人気の高い商品です。
スリムフィットタイプで、膝にはPro Shape 2.0のソフトプロテクターを内蔵、左右膝斜め上にあるファスナーでプロテクターの取り外しが簡単にできます。
使われているデニム素材は耐久性とストレッチ性を両立しており、プロテクション性と快適性を高い次元で発揮しています。
また腰にはPro-Shape 2.0用ヒップポケットがあり、オプションで追加可能です。
耐久性のある生地は風を通しにくく、レギンス等を下にはけば、冬季の使用も十分可能でしょう。
伸縮性があることは、バイクへの乗り下り、停止時に脚をつく場合の安心感・安定感につながります。
このような高機能ジーンズですが、洗練されたスリムスタイルのため、日常で履いてもまったく違和感がありません。
色はブルー、ブラックがラインナップされています。
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安全規格 | Pro-Shape 2.0用ヒップポケット
膝に調節可能なPro-Shape2.0 :ソフトプロテクター(欧州安全基準CE - EN1621.1適合) |
サイズ | 28〜34 |
対応部位 | 下半身全体 |
タイプ | ジーンズ |
DENIM STONE SLIM TEX PANTS
DAINESE ECショップにおいて、最も売れているパンツです。
明るいインディゴブルーのジーンズで、見た目は普通のジーンズとほとんど変わりません。
大きく違うのは太もも中央にある水平方向のステッチで、その下の膝部分にはPro Shape 2.0のソフトプロテクターが装備されています。
プロテクターの高さは身長や好みに合わせて調整可能で、取り外しも可能です。
腰にはPro-Shape 2.0プロテクターをオプション装備することができ、いっそう安全性を高められます。
ジーンズはバイクに合わせやすいファッションであり、DENIM STONE SLIM TEX PANTSのような明るいカラーは、ネイキッドやアメリカンによく似合うでしょう。
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安全規格 | Pro-Shape 2.0用ヒップポケット 膝に調節可能なPro-Shape2.0 :ソフトプロテクター(欧州安全基準CE - EN1621.1適合) |
サイズ | 28〜34 |
対応部位 | 下半身全体 |
形状 | ジーンズ |
DRAKE AIR D-DRY® PANTS
ダイネーゼがお勧めするDrake Air D-Dry®パンツです。
黒を基調としたパンツで、夏のライディングを快適にするため、大きなメッシュのインナーと、通気性と防水性に優れた取り外し可能なSanitized®ライナーが付属しています。
快適性とともに高い安全性も実現するため、ENの認証を取得したプロテクターを装備(膝は複合プロテクター、ヒップはPro-Shape)。
脚の外側には反射材をレイアウトし、夜間の視認性を向上させています。
夏のメッシュはエンジンの熱気を受けやすいですが、このパンツでは膝下のメッシュ面積を少なくしているため、通気性と遮熱性の両方を兼ね備えているのです。
ライナーを装着することで温度調整ができることも大きなメリットといえるでしょう。
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安全規格 | Pro-Shape:ヒップにソフトプロテクター(欧州安全基準CE - EN1621.1適合) 着脱可能な複合プロテクター(欧州安全基準CE - EN1621.1適合) |
サイズ | 44〜56 |
対応部位 | 下半身全体 |
形状 | パンツ |
目立たない膝プロテクター入りジーンズを活用し、おしゃれにバイクに乗ろう
バイク用ジーンズについて解説しました。
いかにもバイクに乗るようなスタイルよりも、さりげなく、目立たないようプロテクターを内蔵したジーンズであれば、バイクに乗っている間も下りたときもスマートでスタイリッシュです。
こうしたジーンズを、ぜひあなたのバイクライフに取り入れてみてはいかがでしょうか。
※記事内の価格、情報は全て作成時点のものです。最新の情報は各ブランドページをご確認ください。
株式会社ユーロギア
記事作成 ユーロギア編集部
「モーターサイクル」「スキー」「自転車」等、アクティブスポーツを楽しむ方のためのセーフティギアを取り扱い。海外の複数スポーツブランドの総代理店として、全国に専門店を展開中。他、これらのスポーツを楽しむためのイベント開催も。
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