ライダーにとってグローブは、必要不可欠の存在です。ヘルメットのように義務化はされていませんが、グローブの大切さを認識しないライダーはいないでしょう。
バイク用グローブの主な役割は、転倒時などに手を保護することと、アクセルやクラッチの微妙なフィーリングをライダーに伝える働きです。
今回は、バイク用グローブの選び方において非常に重要なサイズ選びについて解説します。最適なサイズを選べばグローブの機能が十分に発揮され、ライディングは安全かつ快適なものになるので、ぜひ参考にしてみてください。
バイクグローブの役割は?
バイク用グローブの第一の役割は、ライダーの手を保護することです。
グローブを着用することで、ライダーが転倒したときや石が跳ねてきたとき、夏の紫外線・冬の寒さから手を保護することができます。また、アクセルグリップ・クラッチレバー・ハンドルスイッチなどとの摩擦からライダーの皮膚を保護しながら、滑るのを防止し、デリケートなアクセルとクラッチの操作をバイクに確実に伝える役割もあります。
さらに、バイクから伝わる振動をライダーに正しく伝えることや、バイクの振動から手を保護することもグローブの重要な役割の一つです。
ライダーにとってのグローブは、いわば第二の皮膚と言ってよいでしょう。
グローブには、こうした重要な役割があるからこそ、ハンドルグリップを握った状態でのフィット感が非常に重要です。
バイク用グローブを選ぶ際には、こうしたことをよく理解したうえでサイズ選びをしなければなりません。
バイクグローブはきつめが良い?大きめが良い?
バイクグローブのサイズを選ぶ際に、どの程度のフィット感のものがベストなのか悩む方も多いのではないでしょうか?
ここでは、バイクグローブのサイズを選ぶ際のサイズ感について詳しく解説していきます。
グローブサイズは少し余裕がある方が良い
バイクグローブのサイズを選ぶ際は、少しだけ余裕のある大きめのサイズを選ぶことがおすすめです。
ライダーは、ほとんどの時間でハンドルグリップを握った状態で、ハンドルを握りながらアクセル、ブレーキ、クラッチ、各種ボタンを操作しています。
つまり握っている時間が長いことが、バイク用グローブの最大の特徴であり、他のグローブとの大きな違いです。
そのため、タイトなグローブを使うと、伸びる側である手の甲が圧迫されて痛くなってしまいます。
また、バイク用グローブは革で作られているものが多く、革は丈夫なだけ伸びにくいという性質からも少しゆとりのあるサイズを選んだ方が良い理由と言えます。
もちろん大きすぎても、手のひらの感覚を上手く伝えることができず、危険が伴います。
グローブはあくまで、【少し大きめ】を心がけましょう。
グローブの指先が余っても大丈夫?
大きめのグローブを選ぶと、縦方向つまり指先が余ってしまうかもしれません。しかし実は、この余裕はとても大切だったりもします。
ライダーが走れば度重なるブレーキングによって、体に前のめりのGがかかります。
すると徐々に、指先がグローブに深く入り込むようになります。
このときグローブの指先に余裕があればよいのですが、最初からフィットしたサイズを選んでしまうと、指先を痛めてしまう原因になります。
特に影響を受けるのは親指と中指で、一日中こうした圧迫を受けていると、ひどい場合には満足にハンドルを握ることもできなくなるほど痛めてしまいます。
左手の親指はウインカーやホーン、グリップヒーターなどたくさんの操作をしますから、痛くなっては操作にも支障が出てしまいます。
ライディングしている間の状況を考えれば、指先が少し余るほうが、安全や快適性において重要と言えるでしょう。
手首はジャストサイズのものを
次に手首ですが、余裕があるほうがいい指先とはまた違って、ジャストサイズのものを選びましょう。理由は、グローブが脱げてしまうのを防ぐためです。
転倒したときの路面との摩擦、ヘルメットのシールドを上げ下げするときに受ける風圧などでは、手首がフィットしていないと手袋が脱げてしまう可能性があり非常に危険です。
バイク用グローブは、手首がゴム製のグローブよりはベルクロ(マジックテープ)やファスナーがついているものを選ぶと良いでしょう。
革グローブは若干の伸び縮みも考慮に入れよう
バイク用グローブで最もポピュラーな素材は革です。
革製品は、初めは固くても使うごとに伸び縮みして柔らかくなってくるのが特徴です。
バイク用の革グローブも、この過程を繰り返しながら徐々に手の形にフィットしてきます。
伸び縮みに関係するのは水分で、濡れた状態で革を伸ばして乾かすと伸びたままとなります。
革グローブが小さいときには、この方法で伸ばすことはできますが、もとに戻らないばかりか、強度も下がってしまうので注意が必要です。
一方、濡れたまま放置すると縮んでしまいますので注意しましょう。もしそれを無理に伸ばしてしまうと、今度は「ひび」が入ってしまう原因になります。
どちらもおすすめできる方法ではないので、革グローブ選びにおいても、指先に余裕があって手首がジャストフィットするのを選ぶのがおすすめです。
グローブサイズの正しい測り方と選び方
では、最適サイズのグローブを選ぶために必須の、サイズの測り方について解説します。
バイク用グローブのサイズの測り方
グローブサイズは、「手囲い」で決まります。
測るには、柔らかい素材のメジャーが便利です。
手囲いは日本手袋工業組合のホームページにも書かれており、【手の生命線の始点と、小指の付け根のシワと手首の付け根のシワを結んだときに手首の付け根のシワのほうから1/3の距離にある点を通って、ぐるりと手のまわりを一周した長さ】となっています。
大まかに言うと、生命線から小指側までぐるりと一周した長さを指します。
一方、指の長さについてサイズは決められていません。
したがってグローブを選ぶ際には、手囲いのサイズをもとに実際にグローブをつけて大きさを決めることになります。
メンズサイズ一覧
バイク用グローブのメンズサイズ一覧をご紹介します。(最後にご紹介するダイネーゼのサイズを表示しています。)
実際に測った手囲いを次の表にあてはめてサイズを割り出します。
サイズ | XXS | XS | S | M | L | XL | XXL |
---|---|---|---|---|---|---|---|
cm | 18 | 19 | 20 | 21.5 | 23 | 24 | 25 |
グローブを試着する際には、自分の手囲いサイズを把握したうえで、手の形でグリップを握るようにしてみて、指先に余裕があるか、手の甲がきつくないかなどのフィット感を試してみましょう。
ただしサイズはメーカーや素材によっても若干の違いはありますし、グローブの個体差もあります。
同じサイズ表記でも、メーカーによってフィット感は微妙に違ってくるでしょう。
レディースサイズ一覧
バイク用グローブのレディースサイズの一覧をご紹介します(レディースもダイネーゼのサイズです)。
サイズ | XXS | XS | S | M | L | XL | XXL |
---|---|---|---|---|---|---|---|
cm | 14 | 15 | 17 | 18 | 19 | 21 | 22 |
女性は男性よりも手が小さく細いので、全体的に小さい寸法となっています。
試着してみて、しっくりこない、きついと感じる場合は、男性用グローブを試してみるのも一つの方法です。
女性用のLは男性用のXSと同じ手囲いサイズですから、レディース用LよりもメンズXSがぴったりということもあり得ます。
おすすめのバイク用グローブ5選
では、おすすめのバイク用グローブでユニセックスを2種類、メンズを2種類、レディースを1種類ご紹介します。
どれもダイネーゼ製で、クールなデザインと優れたプロテクション性能、快適性を誇るバイク用グローブです。
MIG 3 UNISEX GLOVES
手のひらは補強されたスエード生地とカウハイドレザー、ナックル部にポリウレタン製ガードを装着し、欧州のCE規格レベル1に適合しています。
特筆すべきはサイズのバリエーションが豊富なことで、XXXS~XXXLという幅広いラインナップを実現。
男性にも女性にもフィットするユニセックスタイプとなっています。
指の縫製はカーブ成形されているので、グリップを握ったときのつっぱりを少なくしています。
袖口の調整用ストラップは幅が広く、確実にフィットさせることができます。
安全規格 | 欧州安全基準CE - Cat. II - EN 13594/2015 cat. II Level 1適合 |
---|---|
サイズ | XXXS〜XXXL |
AIR-MAZE UNISEX GLOVES
春夏用メッシュグローブで、名前のとおりXXXSからXXLまで幅広いサイズをラインナップするユニセックスタイプです。
手の甲はソフトな素材でさりげなく補強、カーブ成形の指、ダイネーゼ Smart Touch、袖口に調節用ストラップなど、メッシュグローブに必要な機能をほとんどそろえています。さらには、グローブしたままでスマホなどの操作が可能なダイネーゼSmart Touchにも対応しています。
カラーリングは《ブラック/フレームオレンジ》、《ブラック/レッド》、《ブラック/蛍光イエロー》、《ブラック》の4色をラインナップ。軽快でビビッドな色合いから女性のファッションにもマッチします。
ダイネーゼで一番の売れ筋モデルでもあります。
安全規格 | 欧州安全基準CE - Cat. II - EN 13594/2015 cat. II Level 1適合 |
---|---|
サイズ | XXS〜XXXL |
D-EXPLORER 2 GLOVES
手のひら側はレザーで優れたグリップを確保、甲側はレザーとメッシュを組み合わせて通気性を実現しポリウレタンナックルガードまで装備。CE規格レベル1に適合し、いわば夏の万能グローブとも言える製品です。
さらには、グローブしたままスマホなどが操作可能なSmart Touchテクノロジー、Visor Wiperでヘルメットシールドを綺麗に拭ける素材を採用しています。
反射材も内蔵されており、プロテクション性能と安全性能を兼ね備えた逸品と言えるでしょう。
安全規格 | 欧州安全基準CE - Cat. II - Pr-EN 13594 Level 1適合 |
---|---|
サイズ | XS〜XXXL |
TORINO GLOVES
2023年のダイネーゼ最新作モデルです。
指と手の甲部分のメッシュ構造で通気性を実現し、暑い季節のライディングに適したグローブとなっています。
メッシュ構造ながら、小指と手のひらの補強で安全性を確保。
指の部分はプリカーブ構造で、全体のシームレス構造とあいまって快適なフィット感を実現しています。
また袖口はベルクロで、装着感はタイトです。
ダイネーゼ Smart Touchテクノロジーで、グローブをしたままスマホなどの操作が可能なのも、嬉しいポイントです。
安全規格 | 欧州安全基準CE - Cat. II - Pr-EN 13594 Level 1適合 |
---|---|
サイズ | XS〜XXXL |
TORINO WOMAN GLOVES
2023年のダイネーゼ最新作レディースモデルです。
指と手の甲はメッシュ構造で優れた通気性を発揮し、夏のライディングに適したバイク用グローブです。
シームレス(縫い目のない)構造とプリカーブ構造により、自然な装着感と柔軟性のある構造は、女性ライダーにとって快適なように作られています。
弱くなりがちな小指と手のひらは補強され、袖口のベルクロと共に高い安全性を実現しています。
グローブしたままスマホなどの操作が可能なダイネーゼSmart Touchにも対応。
サイズはXSからLがラインナップされています。
安全規格 | 欧州安全基準CE - Cat. II - Pr-EN 13594 Level 1適合 |
---|---|
サイズ | XS〜XL |
バイクのグローブは自分にあったサイズを選んで購入しよう!
バイク用グローブは、指先や手のひらを保護するとともに、ライダーの意志をバイクに伝え、またバイクからの情報をライダーに正しく伝えるという重要な役割を持っています。そのためは、ご自分に合ったサイズのグローブを使うことは非常に重要です。
指先には感覚神経が集中していますので、グローブ選びはライディングの質を左右すると言ってもいいでしょう。
ダイネーゼでは、ご紹介したグローブ以外にも様々な製品を取り扱っています。【いいものを買って長く使う】
ダイネーゼのグローブは、この期待に応える品質を備えています。
※記事内の価格、情報は全て作成時点のものです。最新の情報は各ブランドページをご確認ください。
株式会社ユーロギア
記事作成 ユーロギア編集部
「モーターサイクル」「スキー」「自転車」等、アクティブスポーツを楽しむ方のためのセーフティギアを取り扱い。海外の複数スポーツブランドの総代理店として、全国に専門店を展開中。他、これらのスポーツを楽しむためのイベント開催も。
ヘルメットのシールド選びで変わるバイクライフ|選び方やおすすめを紹介
ヘルメットのシールド選びで迷ったら......大切なのは、それぞれの特徴や機能をよく知った上で、自分のスタイルやサイズに合ったヘルメットを探すことです。今回はヘルメットの機能パーツとして重要な役割を持つ、シールドの選び方を紹介します。
バイク用ヘルメットの選び方を解説|おすすめのヘルメットも合わせて紹介
教習所に通う時点でいくつか揃えておきたいアイテムがありますが、そのなかでも筆頭に挙げられるのがヘルメットです。種類やデザインも豊富で、とくにビギナーライダーからはどれを選べばよいのかわからないという声も聞かれます。本記事ではバイク用ヘルメットの選び方のポイントをじっくり解説。
【普段着で使用】普段着スタイルに、安全で気軽に装着できるおすすめバイクプロテクターを紹介
「そんなに遠出するわけでもないし、普段着のままバイクで出かけたいけど、転んだときが心配…。」もっといろいろなスタイルでバイクを楽しみたい場合には、外付けのプロテクターを活用するという手もあります。今回はそんな便利なプロテクターをご紹介します。
命を守るためのバイク用プロテクター<膝編>膝プロテクターの選び方の解説やおすすめ商品を紹介
バイクに乗るときの必須アイテムでもあるプロテクターは、ヘルメットとは違い、法律で装備を義務化されていないアイテムではありますが、いざというときに身体を守る備えとして、後悔しないために身につけておきたいもの。 ニープロテクター、ニーガードと呼ばれる、膝専用プロテクターの選び方とおすすめのアイテムをそれぞれ紹介します。
ジャック・ミラーがダイネーゼ台場店にやってきた。レース前のロングインタビュー&ビデオメッセージを掲載。
祝!ジャック・ミラー選手日本グランプリ優勝!ついに今季初勝利しました。それも、ここ、日本で獲得してくれたのはなんとも嬉しい限りです。9月21日、MotoGP日本グランプリの開催に伴い、ダイネーゼ台場のイベントに来店ダイネーゼ台場にて行われたストアイベントの様子をお届けいたします。
バイク用ヘルメットサイズの正しい選び方は?ポイントや測定方法を詳しく解説
サイズが合っていないと、疲れの原因にもつながることも。ヘルメットのサイズを「なんとなく」選んでしまっていませんか?実は、ヘルメットのサイズが合っていないと、長距離の走行では疲れてしまったり、頭痛の原因になったり、安全性が損なわれてしまったりする原因にもなりえます。今回は、そんなヘルメットのサイズについて解説したいと思います。
レース用ヘルメットとは? 公道用ヘルメットとの違いを解説
レースでは、一般公道とは全く異なる高いアベレージスピードで走行するため、転倒リスクも高く、ライディングスーツやグローブ、ブーツだけでなくヘルメットに関しても公道用とは異なる安全性が求められます。レース用のヘルメットとはどんな特徴があるのか、公道用の違いを含めて解説します。
バイク用肘プロテクターの必要性について。おすすめの肘プロテクターもご紹介
バイクの趣味を末永く楽しむためにも、事故や転倒はなるべく防ぎたいもの。そこでいざという時にあなたの身体を守ってくれるのが「プロテクター」。ここではその中でも、腕の関節を保護する肘プロテクター(エルボーガード)にフォーカスしてその必要性や商品の選び方などを解説していきます。