突然の天候の変化や雨天時の走行などに備えて準備しておきたいのがレインウェア。
バイクに乗車するときには「バイク専用のレインウェアを選ぶべき。」と解ってはいるものの、いざ手に入れようと、専門店やオンラインのモールを覗いてみると、たくさんの種類が並んでいて、どれを選んだらいいのか悩んでしまうことがありますよね。
レインウェアを選ぶポイントは「走行距離」と「使用頻度」です。性能と価格が解りやすく比例しているアイテムなだけに、そこを目安に選択することをおすすめします。
ここでは、バイク専用のレインウェアに必要な性能や機能から、具体的な選び方をご紹介します。
バイク用レインウェアとは
バイク専用に作られたレインウェアは、ライダーの身体を雨から守るために、さまざまな機能を搭載しています。
- 雨の侵入を防ぐ防水性
- 内部の蒸れを防ぐ透湿性
- 長時間の使用に対応する耐久性
- 転んだときなどに擦れを防ぐ耐摩擦性
- 乗車姿勢に合わせた運動性能とパターンを採用
- 悪天候時の視界の悪さを考慮した視認性
- コンパクトに持ち運べる携帯性
- ライディング中の巻き込みやバタつきを抑えるデザイン
実際に雨の日にバイクに乗ると、些細なことが気になりだして、ライディングに集中できなくなってしまう経験が有る方も多いのではないでしょうか。
悪天候での走行は、通常よりも視界も路面状況も悪くなっているだけに、その部分をフォローするためにも、快適性が重視されます。快適性は安全性にも繋がります。
最近では安価に手に入れることができるレインウェアもありますが、雨を弾くだけで耐久性が乏しかったり、走行風によるバタつきで破れてしまったりと、ライディング時に必要な性能が備わっていない可能性があります。
天候に関わらずライディングに集中するためにも、バイクに乗るときは、バイク専用に作られたレインウェアを選択するようにしたいものです。
また、近年では防水&透湿機能を備えた、全天候型のライディングウェアも多数登場しているので、そちらを検討してみるのもおすすめします。
バイク用レインウェアの選び方
では、具体的にどのように選べばいいのでしょうか?
長い距離と時間走る場合は、より多くの機能が備わっていればいるほど快適で、通勤などで、短時間だけど使用頻度が高い場合は、コストパフォーマンスを考慮して機能を厳選、例えば防水性と視認性を重視して選ぶなど、使用用途に合わせて、セレクトするのが正解です。
機能とその数値の読み方を知って、最適なレインウェアを見つけ出しましょう。
タイプで選ぶ
バイク専用のレインウェアには、以下のタイプがあります。
- ツーピース
- ワンピース(ツナギ)
- ジャケット
- パンツ
- コート
それぞれの特徴としては、ツーピースタイプは上下がセットになっており、一般的に使いやすく汎用性が高いため、商品数も多く選択肢の幅が広がります。
ワンピースタイプは上下が一体化しているため、腰回りが浸水しにくいというメリットがあります。しかし、人によっては着脱が難しく感じることや、使用後の手入れが難しいというデメリットがあります。
ジャケットとパンツ単体は、全天候型のジャケットを持っているが、持っているパンツには防水機能が備わっていない、またはその逆の場合にそれを補うアイテムとして利用されています。
コートタイプは一枚羽織るだけなので脱ぎ着が楽というメリットがありますが、ボトムがないため、足元が濡れない工夫をする必要があります。
足でシフト操作をする必要のないスクーターの乗車時には良いかもしれませんが、裾のバタつきが起こりやすいため、巻き込みなどに注意する必要があります。短時間で短距離ならOKかもしれませんが、バイク乗車時に使用するのは危険ですのであまりおすすめできません。
サイズとアジャスター機能をチェックする
レインウェアはジャケットなどアウターの上に着ることを想定して大きめに作られているため、基本的には自分で普段使用しているサイズと同等のサイズを選んでも問題ありません。
しかし試着した際にあまりにもピッタリサイズだった場合や、大きめのボディバッグやウエストバッグをつけたまま着用する場合には、余裕のあるサイズを選んだほうが無難です。
但し、ゆとりのあるサイズを選んだ際に注意したいのは、走行風によるバタつきです。
バタつきは疲労感や集中力の低下、誤操作の原因となる可能性があります。
これらは袖口、裾、ウエストまわりにベルクロなどでサイズ調整ができるアジャスターが装着されていれば解消することができるので、余裕のあるサイズを選んだときは、アジャスターの有無を確認してください。
耐水圧と透湿性をチェックする
レインウェアを選ぶときに目安にしやすいのが、数値で表示されている耐水圧と透湿性です。
耐水圧は生地の表面がどれくらいの水圧に耐え、裏面に水を通さないでいられるかを示す数値となり、この数値が高ければ高いほど、水が浸透しにくいということになります。
高速で移動するバイクの場合は、ウェアに大きな圧力が加わるため、より高い耐水圧が必要となり、小雨の中の街乗りなら4000mm、一般的なバイク走行なら10,000mm、30分以上走行するなら20,000mm以上が安心です。また、高い耐水圧が表示されていても、縫い目や圧力がかかる部分から水が浸水してくる場合があるので、縫い目やジッパーなどに防水シーム加工がなされているものや、浸透しやすいお尻の部分が補強されているなどもチェックしましょう。
透湿性は、内部の湿気を外部に逃がす能力を示します。透湿性を示す指標として、「透湿性評価(例:10,000g/m²/24h)」が使用されており、この数値が高いほど、より高い透湿性を持つことを意味します。
透湿性が低いと、せっかくウェア内への雨の侵入を防いでいるにも関わらず、自身から発生する熱が内にこもり、蒸れてインナーがびしょ濡れになるなど、相当な不快感を感じます。
一般的には10,000g/m²/24h以上あると快適とされています。内側の熱を逃がすベンチレーションの有無などと合わせてチェックするようにしてください。
カラーや反射材をチェックする
雨の日は想像以上に視界が悪くなるため、他者に自身の存在を示すことが重要となります。
バイクは一般的に小型で視認性が低く、雨天時や暗い環境での視認性がさらに悪化する可能性があるため、レインウェアにはできるだけ目立つ色が使用されているものを選んで視認性を高めることをおすすめします。
それでも目立つ色に抵抗があり、目立たない色を選んだ場合は、ライトなどに反射するリフレクターが装備されているものを選ぶようにしてください。
携帯性・収納性をチェックする
荷物の積載量が少ないバイクにおいて、雨に備えてツーリングバッグなどにいれて持ち運ぶことが多いレインウェアは、コンパクトに収納できると便利です。
レインウェアの殆どには収納袋が付いていますので、収納袋の大きさをチェックして、ツーリングに使用するバッグに収まるか確認してみてください。
サイズは小さければ小さいほど便利ですが、性能が高いものはそれなりの大きさになってしまいますので注意が必要です。
バイク用レインウェアのお手入れ方法
レインウェアを劣化させずに長く使用するためにも、使用した後にメンテナンスを行うことが大切です。
まずは泥はねといった汚れを水で落とし、しっかりと自然乾燥させてください。
汚れがひどい場合は、中性洗剤で手洗いし、洗ったときに洗剤が繊維に残らないようにすすぎは念入りに。
但し、レインウェアは特殊な素材を使用したり、コーティングが施されているものが多いため、タグに記載されている洗濯表示に従って洗うようにしてください。
防水性を維持するためにも、防水スプレーなどを使用するのもひとつの手段ですが、シリコン系の防水スプレーは繊維の穴を塞ぎ、透湿性が損なわれる可能性があります。
ですので、ゴアテックスといった透湿性能が高い素材には、シリコン系でも透湿性を損なわないものか、フッ素系の撥水スプレーを使用することをおすすめします。
おすすめのレインウェア
レインウェアだからといって、見た目にも妥協したくない方のために、ダイネーゼのスタイリッシュなデザインのレインウェアをご紹介します。
STORM 2 UNISEX JACKET
視認性の高い蛍光イエローをアクセントカラーとしたレインジャケットです。
耐水圧20,000mmに加え、パーツを超音波で溶接したシームレスデザインとなっており高い防水性を確保しています。
通気性に優れたニット素材を採用した4WAYストレッチ仕様により運動性能を確保。
襟にはフードを内蔵、フロントの開閉はシーム加工された防水ジップアップ式で、ベルクロ式の前立てで雨の侵入を防ぎます。
高い視認性を認める、欧州安全基準 EN ISO 20471を取得しています。
専用の収納ケース付き。
男女兼用でXS〜XXLまでのサイズを揃えています。
STORM 2 UNISEX PANTS
上のSTORM 2 UNISEX JACKETとセットアップで着用できるパンツです。
こちらの基本スペックもSTORM 2 UNISEX JACKETと同じく、耐水圧20,000mm、パーツを超音波で溶接した縫い目がないシームレスなデザインとなっています。
裾にはベルクロの調整機能がついており、バタつきやベダルなどへの干渉や、靴への浸水などを防ぎ、蛍光イエローのラインにあしらわれたブランドロゴがリフレクターの役割を果たしています。
こちらも高い視認性を認める、欧州安全基準 EN ISO 20471を取得。
専用の収納ケース付きで、男女兼用でXS〜XXLまでのサイズを揃えています。
おすすめのレインウェア|アイテム
レインウェアの他にもグローブやブーツといったアイテムも雨の日には欠かせません。グローブやブーツの上に装着するレインカバーに加え、防水加工が施されたアイテムをご紹介します。
IMPETO D-DRY GLOVES
雨の日だけでなく全天候で活躍する、防水性に優れたD-Dry®メンブレンを使用した防水レザーグローブです。 TPUナックルプロテクターの装備や、耐久性に優れたゴートスキンレザーとのコンビ使いにすることにより、高い安全性を確保しています。 グローブを装着したままでスマホなどのスクリーンを操作することができるDainese Smart Touchにも対応するなど、スポーツ走行からツーリングまで、さまざまなシーンで活躍するモデルです。
商品詳細安全規格 | グローブ(欧州安全基準CE - Cat. II - EN 13594/2015 cat. II Level 1適合) |
---|---|
サイズ | XXXS〜XXXL |
主な素材 | ゴートスキンレザー(山羊革) |
SPORT MASTER GORE-TEX BOOTS
スポーツツーリング用に設計されたGORE-TEX製の防水ブーツです。 GORE-TEX素材は防水性と透湿性に優れているため、雨の日はもちろんのこと、悪天候でも暑い日もすべての天候で快適な履き着心地を実現します。 こちらのブーツはパンツの内側に履くINタイプの構造となっており、雨天時に履き口から雨の侵入を防ぐ役割も果たしています。 全天候型のアイテムは、予期せぬ雨でも慌てることなくバイクに乗り続けることができるのでひとつ持っていると便利です。
商品詳細安全規格 | ブーツ(欧州安全基準CE - Cat. II - EN 13634適合)
|
---|---|
サイズ | 39〜47 |
主な素材 | D-Stone™ファブリック |
RAIN OVERGLOVES
雨が降ってきたらグローブの上から装着するタイプの防水オーバーグローブです。 どんなグローブにも対応し、グローブをしたままでも装着しやすいように付け口を広く設け、手首のドローストリングを占めるだけでしっかりと雨の侵入を防ぎます。 手のひら側にはグリップと耐久性を高めるための補強を施しています。専用の収納ケース付き。
商品詳細RAIN OVERBOOTS
どんなブーツの上からも装着できる、イージーフィットの防水オーバーブーツです。 足を入れて背面のファスナーを閉じるだけで装着できる簡単便利な優れもの。 内側と底、シフトペダルが当たる部分には耐久性とグリップ力のあるゴム引布が使用され、側面にリフレクター効果のあるロゴマークが配されています。専用の収納ケース付き。
商品詳細まとめ
雨の日でも快適に、そして安全にバイクに乗るためには、自分に合ったレインウェアを選ぶことが重要です。
雨に濡れるとウェアが身体に張り付いて動きにくくなるなど、思わぬアクシデントに見舞われることも考えられます。
バイクに乗るときにはバイク専用のレインウェアを、急な雨に見舞われることも想定して、ツーリングに出かける際には、必ずレインウェアを携帯するように心がけてください。
※記事内の価格、情報は全て作成時点のものです。最新の情報は各ブランドページをご確認ください。
株式会社ユーロギア
記事作成 ユーロギア編集部
「モーターサイクル」「スキー」「自転車」等、アクティブスポーツを楽しむ方のためのセーフティギアを取り扱い。海外の複数スポーツブランドの総代理店として、全国に専門店を展開中。他、これらのスポーツを楽しむためのイベント開催も。
レーシングスーツはかっこいい!デザインや種類、オーダー商品についてもご紹介
体にタイトフィットして走行風にバタつかず、転倒時はダメージを低減してくれるレーシングスーツは「ライダーの正装」ともいうべき装備。レーシングスーツにはさまざまなデザインや機能、素材のものがあり、サーキット走行だけでなくツーリングでのスポーツ走行に適したものもあります。また、ライディング時の動きやすさのためにもサイズにこだわりたいもの。今回は、デザインや種類、オーダー商品について詳しく解説したいと思います。
高所作業における安全対策例|高所作業で起こりやすい事故例も紹介
建設業において、高所作業は避けて通れない作業の1つです。 しかし、高所での作業は転倒や転落、工具や資材の落下・飛来といった危険があります。 安全管理を怠れば自分だけではなく同僚や一般の通行人にも迷惑をかけてしまうので、安全対策は必須といえるでしょう。そこで本記事では、高所作業における安全対策の内容や高所作業を伴う仕事の種類について解説していきます。
バイク用パンツのおすすめ6選!バイク用パンツの種類や選び方をご紹介
バイクは転倒して怪我をする可能性はもちろん、真夏の太陽、極寒の気温、変化する路面状況、雨、砂ぼこりなど、ライダーを取り巻く環境は過酷です。こうした環境に加え、安全性やファッションまでを考慮に入れると、必然的にバイク専用パンツの重要性が浮かび上がってきます。この記事では、バイク用パンツの種類や使い分け、おすすめのパンツまでを徹底解説しています。
夏用バイクジャケットおすすめ5選!安全で快適な夏用ジャケットで走ろう
夏、真っ青に晴れた空の下をバイクで走るのは気持ちがいいものですが、バイクという乗り物の特性上、長袖ジャケットは必須であり、薄着は危険かつ見た目もよくありません。この記事では、安全性を損なう事なく、快適性、デザイン性を兼ね備えたジャケットをご紹介します。
バイク用エアバッグとは?主な種類やおすすめのエアバッグも紹介
上半身を守ってくれるプロテクターとともに、近年はより安全性の高い「バイク用エアバッグ」を選ぶ方も増えています。 そこで本記事では、バイク用エアバッグの重要性や種類、選ぶときのポイントを解説します。バイク用エアバッグには、ハーネスタイプとワイヤレスタイプの2タイプあり、その違いも解説していきます。
バイク乗車時には安全装備は必要?おすすめの安全装備も紹介
皆さんはバイクに乗車する際、安全装備を身に着けていますか?安全装備を身に着けることで、万が一事故に遭ってしまった場合でもケガや死につながるリスクを回避できる可能性が高まります。しかし、バイクの安全装備といってもその種類は多岐にわたり、何を購入すればよいのか迷っている方もいるでしょう。そこで本記事では、バイクに乗るときに着用すべき主な安全装備をご紹介します。
新卒でバイク業界に就職は難しい?仕事内容やキャリアプランも解説
バイク好きの学生さんであれば、卒業後はバイク業界で働きたいと考える人もいるでしょう。 しかし、専門性が高く、新卒では就職が難しいというイメージがあり、就活に不安を抱えている方も少なくないはずです。そこで今回は、バイク業界の就職状況や新卒で応募している職種・仕事内容、入社後のキャリアプランについてご紹介します。 バイク業界への新卒入社を目指している方は、ぜひ参考にしてください。
バイクに関する仕事をしたい人必見!オススメのバイク関連の仕事を紹介
バイクが好きな人の中には、バイクに関連する仕事がしたいと考えたことがある人もいるでしょう。そこで今回は、バイクに関係する仕事に就くために必要なことやオススメの仕事をご紹介します。 大好きなバイクに関わる仕事に就きたい方は、ぜひ参考にしてください。