

道路交通法の改正により、2023年4月1日から、全ての年齢で自転車に乗る際のヘルメット着用が努力義務となりました。理由は安全の確保ですが、それには自転車を取り巻く交通事故事情があります。
日本では、交通事故死者数に占める歩行中及び自転車乗用中の割合が欧米諸国と比べて高く、また死亡原因では頭部の損傷が56%と一番多くなっています。自転車に乗る際にヘルメットを着用することで、これらの割合を減らすことが期待されています。
国もヘルメット着用を推進させるため補助金制度を設立していますので、これを利用することで優れたヘルメットを安く購入することできます。
今回は、自転車用ヘルメットの補助金制度について解説するとともに、おすすめのヘルメットについて解説します。

ヘルメット着用努力義務化とは
すでにテレビのニュースなどでご存じの方も多いと思いますが、2023年4月1日から自転車利用者の全年齢においてヘルメット着用が努力義務化されます。理由は頭部の安全確保で、自転車を運転しているときに事故に遭ったとき、ヘルメット着用の効果がよく分かる内閣府の統計があります。
その統計において自転車運転中の死傷者率を比較したとき、着用者が0.23%であるのに対し、非着用では0.68%と、約3倍もの差が出ています。
また死亡した原因で最も多いのは頭部の損傷で、全体の56%と半数以上を占めています。
自転車の事故で最も多いのは出会いがしらの衝突で、その際に頭部に大きな衝撃が加わって死亡するケースが多いことが考えられます。
バイクと同様、自転車においても、ヘルメット着用の大切さ・効果の大きさがお分かりいただけると思います。


自転車用ヘルメットの補助金制度
これらの背景から、自転車用ヘルメットの需要が高まっています。
多くの自治体でもヘルメット着用を推進させるため、安全基準を満たした自転車用ヘルメットを購入したときに補助金を出す制度を設けています。
補助金を得るには、「安全基準を満たしたヘルメット」の場合であることにご注意ください。
対象年齢をチェック
補助金が出る場合にはいくつかの条件がありますので、まずはお住いの自治体のホームページなどを見てみましょう。条件の一つは対象年齢で、自転車を「だれが運転するか」によります。自治体の対応は、大きく3つに分けられます。
- 補助金制度はない
- 「児童生徒などの年齢が満7才以上18才以下の人」、「高齢者(65才以上)」など、対象年齢を限定している
- 全年齢を対象としている
現時点では全年齢を対象としていなくても、4月1日から始まる全年齢での着用努力義務化に伴い、対象年齢が拡がる可能性は高いと言えるでしょう。
申請方法をチェック
自治体によって申請方法は違いますので、注意してください。 対象年齢と同様、申請方法にもいくつかに分けることができます。
- 所定の申請書に必要事項を書き、領収書・安全基準の認証が確認できる保証書などを添付して自治体の窓口へ提出する
- 販売店で住所の分かる身分証明書などを提示して購入すると、その場で一定額が値引きされる
- 自治体のホームページなどへ電子申請するとメールが届き、それを印刷して販売店へ持参して購入する
どの場合も手続きは簡単そうですし、割引額も数千円で自治体による差はほとんどないと言っていいでしょう。
4月1日の施行前後は需要が高まってヘルメットが品薄になることが考えられます。
購入を考えている場合は、申請方法をできるだけ早く確認したいものです。
対象期間をチェック
申請する期間も要チェックです。 ヘルメットの割引を申請しようとしたら、期間が過ぎていたということにならないようにしたいものです。 申請期間も自治体によってまちまちです。
- 購入日から数ヶ月(3ヶ月など)以内の短い期間
- 購入日から1年以内など長い期間
- 先着順○○人まで
これも申請方法と同様、早めに確認しておくことをおすすめします。 そうすれば複数のヘルメットを比較することができ、自分に合った優れたヘルメットを購入することができるでしょう。

自転車用ヘルメットの選び方
自転車用ヘルメットの購入を検討している方のほとんどは、「ヘルメットを買うのは初めて」という方だと思います。努力義務と言われて、どんな基準で、どれを買っていいか分からず戸惑っていることでしょう。
そのお悩みに答えるべく、自転車用ヘルメットの選び方を解説します。
頭にフィットするものを選ぶ
自転車用ヘルメットには4つのサイズがあります。 最適なサイズを選ぶために、柔らかいメジャーで、眉の上1、2センチあたりの外周を測ってみましょう メーカーによって若干サイズ設定は違いますが、おおむね次のとおりです。
- S: 51〜55cm
- M:55〜59cm
- L: 59〜63cm
- XL:61〜65cm

また自転車用ヘルメットには、欧米人の頭の形に合わせた「グローバルフィット」(断面が楕円形)、アジア人に合わせた「アジアンフィット」(断面が円形に近い)の2種類があります。アジアンフィットが合う方が多いと思いますが、実際にかぶって試してみることをおすすめします。
自転車用ヘルメットをかぶったら、あごひもをしめ、左右に首を振ったり、下を向いたりして、ずれないかを確認することも必要です。
通気性をチェック
サイズが決まったら、次に通気性をチェックしましょう。
通気性は大切な機能で、自転車を漕いで頭部の体温が上昇するのを防いでくれます。
自転車用ヘルメットの多くは大きなスリット(隙間)があって通気性を確保しています。
走行中、このスリットから風を取り入れて頭を冷やす構造となっています。
スリットの位置はメーカーとモデルによってさまざまです。ヘルメットの前と後ろにあるタイプ、上だけのタイプなどがあります。
スリットの大きさと位置をどう考えるかは、ご自分がどのような環境でどういう乗り方をするかによって選ぶのが無難でしょう。
例えば、お住まいが九州や沖縄など比較的温暖な地域にある、通勤通学で長距離を走る、ハードな漕ぎ方をするなどの場合は、通気性の高いヘルメットが適していると言えます。
通気性を良くするインナーパッドを付けられるタイプもありますので、チェックしてみてください。
軽量性をチェック
通気性と同じくらい大切なのが、軽さです。
通勤や通学などで毎日のように自転車用ヘルメットをかぶるとき、断然軽さが効いてきます。
軽ければ頭部を動かしやすいため、右左折時の後方確認などをスムーズに行うことができますし、首にも負担をかけません。
また長距離を走る場合でも、軽さは疲労の蓄積度合いの違いとなって表われてきます。
具体的には、250~350グラム程度の重量のものがおすすめです。
ただし、軽さだけでヘルメットを選ぶと、安全性を軽視した作りとなっているものを選びかねません。
安全性を考慮し、軽さと強度を兼ね備えたものを選ぶことが重要です。
安全基準を満たしているもの
ヘルメットは、形だけかぶればいい、かっこよければいいというものではありません。
ヘルメットは人間の大切な部分である頭を保護するものですから、国や地域で定めた安全基準があり、その基準を満たした製品にはマークがつけられています。
日本国内で作られているのが「Safe Goods」の頭文字を取った「SG」規格です。
一般財団法人製品安全協会の基準に合格した商品のみに与えられており、ベビーカーなどにも見ることができます。
こうした安全規格は日本以外にもあり、欧州連合EUにおいて安全基準条件を満たしていることを示すのが「CE」規格です。アメリカ合衆国においては「CPSC」規格があり、アメリカ合衆国消費者製品安全委員会が安全基準を定めています。
自転車用ヘルメットを選ぶ際には、これらの規格を満たしているかどうか、必ずチェックしましょう。
デザインをチェック
最後はデザインです。
同じ自転車用ヘルメットをかぶるなら、おしゃれでクールに、スマートに決めたいもの。
そういう観点でヘルメットを選ぶと、乗っている自転車のタイプやカラーリングによって変わってくることでしょう。
ロードバイクに合わせるヘルメットなら、シンプルでかっこいいデザインがマッチします。
ヘルメットのカラーリングも黒やネイビーベースのものを選べば、スーツにもよく似合うに違いありません。
また、シティバイクやカラフルなママチャリに乗るのであれば、カジュアルでおしゃれなデザインが合います。
自転車用ヘルメットのなかには、帽子のような製品も販売されています。
デザインも含めて自転車用ヘルメット選びを考えると、とても楽しくなってきます。

軽量で安全なおすすめのヘルメット
自転車用ヘルメットが頭を守るという大切な役割を持っている以上、ヘルメット選びにおいては妥協せず、いいものを選びたいものです。
ショップではさまざまな価格のヘルメットが売られていますが、あとで後悔することがないよう、初めてのヘルメットはぜひデザイン性や安全性、機能性に優れたハイエンドモデルを検討することをおすすめします。
LINEA 03 MIPS
重さは340グラムと軽量ながら、外側を強固なポリカーボネート製シェルでガード、インナーシェルは衝撃を受けやすい頭蓋骨の部位に合わせて配置し、強度と内部のフィット感を両立させています。
安全性も優れ、アメリカのCPSC 1203、欧州のCE EN1078、オーストラリアのAS/NZ 2063のそれぞれの規格を上回る性能を発揮している優れた性能を持っています。
快適性においては、抗菌防臭加工を施したソフトな内装、表面に配置された18個のエアインテークで通気性を確保するなど、配慮は万全です。
ユニークなのは、ポニーテールや三つ編みの髪を通しやすい後部のデザインで、女性にも嬉しい構造となっていることです。
あごひものバックルは手袋をしたままロック可能なマグネットシステムを採用するなど、全ての面においてダイネーゼの技術が生かされた自転車用ヘルメットとなっています。
ホモロゲーション | CPSC 1203
CE EN1078 AS/NZ 2063 |
---|---|
プロテクション | 二重密度EPSフォームは、重量を減らしながら保護を強化します。 ポリカーボネートアウターシェル |
LINEA 03
外装は上位モデルLINEA 03 MIPSとよく似た形状のポリカーボネート製シェルで、18個の通気口によってさまざまな局面や天候における通気性と透湿性を実現しています。
内装はデュアルデンシティEPS(発砲ポリスチレン)製のインナーシェルを採用、抗菌防臭加工を施しています。
この外装と内装の組み合わせにより、強い強度と頭にフィットしやすい構造となっています。
重さは340グラムと軽量ながら、高い安全性はアメリカのCPSC 1203、欧州のCE EN1078、オーストラリアのAS/NZ 2063基準を上回る性能を発揮しています。
シェルにも工夫がされており、後部は女性にもうれしい設計、ポニーテールや三つ編みにした髪の毛を通せる作りとなっています。
またシェル全部のピーク(バイザー)は、角度が調整可能で、手袋をしたままでも操作が可能です。
自転車用ヘルメットに要求されるあらゆるシチュエーションにも対応できる優れたヘルメットです。
ホモロゲーション | CPSC 1203
CE EN1078 AS/NZ 2063 |
---|---|
プロテクション | 二重密度EPSフォームは、重量を減らしながら保護を強化します。 ポリカーボネートアウターシェル |

まとめ
2023年4月1日から自転車用ヘルメット装着が努力義務化されます。
それに合わせて各自治体も、自転車用ヘルメットが速やかに普及するよう、補助金制度をスタートさせています。
補助金の申請方法や金額は自治体によって違っていますが、自治体のホームページなどをよくご覧になり、自転車用ヘルメットを購入されることをおすすめします。
自転車用ヘルメットには、大きさ・通気性・軽量性・デザインなどさまざまですが、ここにご紹介したダイネーゼ製ヘルメットは、同社が長くバイク(モーターサイクル)用品を製造してきた技術がふんだんに生かされています。
ぜひダイネーゼが製造した自転車用ヘルメットを購入し、明日からの自転車ライフを安全かつ快適にしてみませんか。
※記事内の価格、情報は全て作成時点のものです。最新の情報は各ブランドページをご確認ください。
株式会社ユーロギア
記事作成 ユーロギア編集部
「モーターサイクル」「スキー」「自転車」等、アクティブスポーツを楽しむ方のためのセーフティギアを取り扱い。海外の複数スポーツブランドの総代理店として、全国に専門店を展開中。他、これらのスポーツを楽しむためのイベント開催も。
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