バイクに乗っている時には必ずヘルメットを被りますが、そのヘルメットの下に着用するものが「ヘルメットインナー(ヘルメットインナーキャップ)」。
ヘルメットインナーを使用することで、ヘルメットの内装汚れを防いだり、蒸れ対策や防寒ができたりと、さまざまなメリットがあり、ヘルメット内を快適な環境に保てます。
ここでは、ヘルメットインナーの効果やメリットを解説すると共に、ヘルメットインナーの種類やおすすめの商品を紹介したいと思います。
ヘルメットインナーとは?
ヘルメットインナーは、ヘルメットの下に着用するキャップです。
着用方法としては、まず帽子のように頭に直に被り、その上からヘルメットを装着する、非常にシンプルな仕様になっています。
もともと、ヘルメットは頭にタイトフィットするように作られています。
ヘルメットインナーは、その下に着用することが想定されているので、伸縮性に優れた薄い生地を使用して、頭部にフィットするものが一般的です。
このヘルメットインナーの役割は、靴の下に履く「くつ下」の役割を果たすもので、寒い時には防寒になりますし、夏場には蒸れを防止できる商品もあります。
また、ヘルメットの内装と頭皮が直接触れないので、汚れや匂いを防いで、ヘルメットを清潔に保てるのです。
ヘルメットインナーの種類
ヘルメットインナーの用途はさまざま。
あくまでヘルメットの内装汚れ防止の意味合いが強いものから、ヘルメット装着時の使用に限らずキャップとして被ってもおかしくないファッショナブルなものまで、多種多様な商品があります。
1.キャップ型
ヘルメットインナーの中で最も一般的な形は、頭にぴったりとフィットする「キャップ型」。
「キャップ型」は、主に頭部のみを覆うようなコンパクトな形状で、ヘルメット用下着としての機能を優先させたタイプが最も多くなります。
ヘルメット着用前に被ることで、ヘルメットの内装を清潔に保つことができる他、高機能素材を採用したものは、蒸れを防止することで発汗を抑える効果が期待できるでしょう。
また、速乾素材のものは夏場の着用にとくに適しています。
「キャップ型」のヘルメットインナーは通常、ヘルメットを脱ぐ際に一緒に脱ぐことが多いです。
2.ニット帽型
キャップ型よりも大きなサイズで、耳まで覆ったり、目深に被ることができたりするようなヘルメットインナーは「ニット帽型」になります。
ニット帽型は、ヘルメットを脱いだ状態で被っていても違和感の無いようなデザインのものが多いです。
主に冬場の着用に適した保温素材を採用する製品が多いですが、夏場に向けた速乾や冷感素材のものも販売されています。
厚みのある素材のものは、ヘルメットを上から着用するときつく感じることもあるので要注意。
3.バラクラバ型
帽子状ではなく、頭部全体をすっぽり覆うようなヘルメットインナーを「バラクラバ型」といいます。
冬場のライディング時はフルフェイスヘルメットを着用していても、走っていれば下からの巻き込み風で顔は寒さを感じるもの。
しかし、バラクラバ型は頬や口元だけでなく、覆面のように鼻まで覆うようなものもあるので、肌の露出をしっかり防ぎます。
頭部に被るだけのヘルメットインナーに対して、着用する手間は少々かかりますが、その分寒さに対する防御性が高い「バラクラバ型」は、冬におすすめです。
なお最近は、素材に速乾性に優れたものを使用したバラクラバも発売されています。
そのような生地を選べば、春夏シーズンでも顔全体が快適な状態でライディングを楽しむことができます。
ヘルメットインナーを着用するメリット
ヘルメットインナーを着用するメリットはさまざまで、着用によってヘルメット内の環境を快適に保つことができます。
そんなライディングに役立つヘルメットインナーのメリットを解説していきます。
メリット1: 蒸れを防げる
ライディング時にヘルメットは欠かすことのできない装備ですが、夏場の着用は快適とは言い難いもの。
日中の直射日光を受けるような環境ですと、ヘルメットに走行風を取り入れるようなベンチレーション機能があってもほとんど役に立たず、時にはヘルメットの内装が湿るほど汗をかくこともあるでしょう。
また、夏場の雨天時は雨水が入るためシールドを開けて通気することもできず、ヘルメット内はさらに汗の不快な湿気で満たされることに。
そんな時に有効なのが、吸汗・速乾性素材のヘルメットインナー。
汗を効果的に吸収しつつ、サラッとした肌ざわりで快適性を維持し、ヘルメット内の蒸れを防げます。
速乾素材であれば休憩後に再びヘルメットを被るような時も、汗の不快感を軽減してくれでしょう。
メリット2: 髪型の乱れを抑えられる
とくに街乗りや通勤でバイクに乗る人にとって、悩ましいのが髪型の乱れ。
長時間ヘルメットに押さえつけられることで、髪がぺたっとなり、ボリュームが無くなってしまいます。
それだけならまだ良いのですが、ヘルメットの内装は通気のために凹凸が付いているため、髪型がその形状とおりに癖付いてしまったり、変なところが跳ねてしまったりすることも少なくありません。
また、髪が長い人はヘルメットの着脱時に擦れて、髪型が乱れてボサボサになりがちです。
このように、髪型の乱れはバイクの楽しさを軽減する要因になってしまいます。
そうした髪型の乱れの対策として有効なのがヘルメットインナーなのです。
ヘルメットの着脱時に髪を摩擦から守ることができますし、髪とヘルメットの内装が直接触れないので、癖を抑える効果も見込めます。
メリット3: ヘルメットの内の汚れを防止する
今では内装を外して洗えるヘルメットが一般的ですが、実際こまめに洗濯している人はごく少数派でしょう。
中には一度も内装を洗わずにヘルメットを数年使い続けている人もいます。
ヘルメットの内装に汗が染み込むとカビや異臭の原因となったり、内装スポンジや生地の劣化を招いたりすることもあるでしょう。
そうした時にもヘルメットインナーが役立ちます。
ヘルメット内で汗をかいても、内装スポンジに染み込む前にヘルメットインナーが吸汗し、頭皮の脂がヘルメットの内装に付着しないので、汚れを防ぐこともできます。
ヘルメットの内装が汚れたり劣化したりした場合、内装だけの交換もできますが、案外値段が高いものです。
ヘルメットインナーを使うことで、ヘルメットの内装を清潔に長く使い続けられるでしょう。
ヘルメットインナーの選び方
ヘルメットの下に着用するものはすべてヘルメットインナーと呼ばれていますが、素材や形状などはさまざまです。
季節や目的、そして好みなどに応じて、どのようにヘルメットインナーを選べば良いのか、そのポイントを解説していきます。
1. 機能性で選ぶ
ヘルメットインナーは商品によってさまざまな機能性を有しますが、最も多いのが夏場の快適性を重視したもの。
メッシュ生地で通気性を確保しつつ、吸汗・速乾・消臭機能は基本スペックとして多くの製品が有しています。
とくに速乾素材は洗濯後の乾きも早いので、泊まりのツーリング時に宿泊先で気軽に洗えます。
また、夏場の快適性のために接触冷感素材を採用しているものもあり、真夏の熱中症対策としても効果を見込めるでしょう。
一方で、冬場に着用するヘルメットインナーで最も重視したいのは保温性です。
保温素材を採用しているものを選ぶのと同時に、保護範囲の広いヘルメットインナーを選ぶことで耐寒性も向上します。
また、冬場でも日中は汗をかくことも少なくありません。
その場合、吸汗性や速乾性のある素材だと汗で冷えることも防げます。
2. 着け心地で選ぶ
ヘルメットインナーはヘルメットの下に着用するため、なるべく生地の厚さが出ない伸縮性のある素材で頭部にフィットさせることが求められます。
ただし、あまり締め付けのきついものだと長時間の着用によって頭が痛くなったり、おでこに痕が残ったりといったことも懸念されるでしょう。
逆に緩くてぶかぶかなものだと、ヘルメットを被る際にズレたりするので、あまり好ましくありません。
ヘルメットインナーはフリーサイズのものが多いですが、サイズバリエーションがあるものは頭囲を計測するなどして、なるべく自分のサイズに合ったものを選びましょう。
また、高機能素材だと機能には優れる一方、肌触りが悪いことも少なくありません。
長時間着用するものなので、とくに肌の弱い人は肌触りの良い素材のものを選べば安心ですね。
3. 季節で選ぶ
ヘルメットインナーを着用する目的が「内装の汚れ防止」や「髪型の乱れを抑える」のみであれば、吸汗・速乾素材のキャップ型ヘルメットインナーを年間通して使うのもおすすめです。
しかし、さらに一歩踏み込んでヘルメット内の快適性を求めるのであれば、季節に応じてヘルメットインナーを使い分けるのが良いでしょう。
機能性の項目でも述べたとおり、夏場には発汗や高い気温に対応できる性能が求められます。
冬場には保温性のあるものを選ぶ方が、ライディングが快適なのは間違いありません。
年間通してヘルメットインナーを着用するならば、最低でも2つの商品を季節に応じて使い分けるのがおすすめです。
4. 好きなデザインで選ぶ
ヘルメットの下に着用するヘルメットインナーは、黒の単色でシンプルなデザインのものが多く、さらにタイトフィットのものはヘルメットインナーのまま歩くのは気恥ずかしく感じるものです。
しかし、近年ではファッション性に優れた商品も多く、そういったヘルメットインナーはインナーとしての機能だけでなく、おしゃれなニットキャップのように使えるものもあります。
そういった商品の場合、ヘルメットインナーを着用したままでも、違和感無く食事や休憩を楽しめるでしょう。
身につけるものは、機能性だけでなく見た目もこだわりたいという人は、ヘルメットインナーのデザインに注目して選ぶのがおすすめです。
5. お手入れのしやすいものを選ぶ
頭部に着用するヘルメットインナーは、汗や頭皮の皮脂などで意外と汚れるものなので、自宅や出先で気軽に洗えるお手入れの簡単さも重要です。
洗濯機で洗えないような商品の場合、数枚を使い分けられればいいですが、一枚しか無く手入れが面倒になることで、ヘルメットインナーを着用しないという結果になれば本末転倒。
気軽に洗濯できる商品を選びましょう。
また、洗濯後は陰干しするのが一般的ですが、その場合速乾素材だと生乾きの匂いの防止にもなります。
さらに、消臭素材であればなお良いですね。
ヘルメットの内装汚れを防げるのはヘルメットインナーのひとつのメリットです。
だからこそ、ヘルメットインナーは気軽に洗えてお手入れ簡単な商品を選んで、清潔さを保ちましょう。
おすすめのヘルメットインナー4選
求められる性能を有しつつ、デザイン性に優れたヘルメットインナーを4つ紹介します。
ヘルメットインナーの着用が初めての人はもちろん、すでに何個も使ってきている人にもおすすめです。
好みや形状、季節に合わせて最適なヘルメットインナーを被って、快適なバイクライフを楽しみましょう。
DAINESE DRY CAP
静菌性、低刺激性、抗臭性を有し、通気性に優れたDryarn®ファブリックの採用により、汗を効率的に処理し、常にドライな触り心地を維持します。
縫い目を廃したシームレス構造なので、ヘルメット着用時も違和感を抑えて、長時間の着用にも向いているといえるでしょう。
耳まで覆えて目深にかぶれる形状と、グレーに目の覚めるようなブルーのラインが入った印象的なデザインで、ファッション性に優れる点も好印象といえます。
夏場はもちろん、年間通して着用できる高機能かつスタイリッシュなヘルメットインナーです。
DAINESE DRY BALACLAVA
頭部全体を覆うことができるバラクラバ型でありながら、Dryarn®ファブリックを採用することで優れた防風性と通気性を両立。
汗を効果的に吸収速乾することで、常にドライな触り心地を維持し、爽やかな着用感が続くため、年間を通して使えるでしょう。
縫い目の無いシームレス設計かつ、耳の部分に快適なエリアが設けられており、長時間の着用でも快適性を維持します。
また、100%リサイクル可能な環境に優しい繊維が採用されている点も要注目です。
DAINESE SILK BALACLAVA
化学繊維では実現できないソフトで快適な着用感のSOTTOCASCO SETAは、100%シルクを採用した非常に珍しいバラクラバ型のヘルメットインナーです。
非常に薄い生地であることと、目元周りの丁寧な処理により、軽快で肌触りの良い着用感を誇ります。
使わない時はコンパクトに折りたたんで保管できるのも、なるべく荷物の量を抑えたいバイクには大きなメリットとなります。
効果的な防寒性能と優れた通気性、さらにシルク100%でしか実現しえない柔らかな着用感を持つ唯一無二のヘルメットインナーです。
DAINESE SILK BALACLAVA
速乾性もありあがら、保温性、伸縮性にも優れたDryarn®ファブリックを採用したバラクラバタイプのヘルメットインナー。
冷たい風の侵入を防ぐことで、体温の低下を防止し、快適なライディングをサポートします。ストレッチ素材を使用し、縫い目がないシームレスな構造は、非常に快適な着け心地です。
速乾性に加え、静菌性、抗臭性にも優れているので、泊りがけのツーリングでも出先で簡単に洗えて便利です。
ヘルメットインナーを活用し、快適にヘルメットを被ろう
今までにヘルメットインナーを使った経験が無いという人は、その有用性に気づきづらいかもしれません。
しかし一度使ってしまうと、その快適性から手放せなくなってしまうのがヘルメットインナーです。
ただし、ヘルメットインナーの性能は製品によって大きな差があります。
とくに性能とデザインを両立したものは少なく、そういった意味でもファッショナブルさを持ちつつ、快適性を兼ね備えたダイネーゼのヘルメットインナーはおすすめです。
ぜひ、その性能を体感してみてください。
※記事内の価格、情報は全て作成時点のものです。最新の情報は各ブランドページをご確認ください。
株式会社ユーロギア
記事作成 ユーロギア編集部
「モーターサイクル」「スキー」「自転車」等、アクティブスポーツを楽しむ方のためのセーフティギアを取り扱い。海外の複数スポーツブランドの総代理店として、全国に専門店を展開中。他、これらのスポーツを楽しむためのイベント開催も。
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