女性にとってバイクウェア選びは楽しくもあり、悩ましいものでもありますよね。
デザイン、サイズ、バリエーション共に男性用に比べると数が少なく、購入タイミングが遅れると、欲しいと思ったデザインのサイズが売り切れてしまっているなんてこともあります。
バイク乗りにとって重要なアイテムであるレーシングスーツ(レザースーツやツナギ)は、そんな悩みが顕著に現れるアイテムでもあるため、いざ購入しようと思った際に困ってしまう方も多いのではないでしょうか?
レーシングスーツはそもそもレースや走行会といったサーキット走行に必要になってくるアイテムだけに、安全性が第一。
本記事では、女性が女性専用のレーシングスーツを選ぶメリットから、その選び方まで紹介します。
バイク用レーシングスーツとは?|おすすめのレーシングスーツを紹介
女性はレディースのレーシングスーツを着用した方がいいの?
安全性や快適性、パフォーマンスを発揮するために、レーシングスーツを選ぶ上で重要視すべき点はフィット感です。
一般的なライディングウェアと異なり、レーシングスーツは身体のラインに沿った設計となっているため、着心地が悪いと思ったように動けず、うまく走れなかったり、痛みが生じてしまったりすることがあります。
身体の動きを妨げる要因がどこかにあると、バイクの操作に影響することもあり、最悪の場合、重大な怪我につながる原因となってしまうことも。
そのことからも、女性専用に作られたレーシングスーツは、女性ならではの体型に合わせたカッティングとなっているため、女性は女性専用のレーシングスーツを選ぶのが最適といえるでしょう。男性用に作られたものとはフィット感がまったく異なります。
しかし、人によっては女性でも男性用のレーシングスーツのほうが合う、という方もいるかもしれません。
その場合は両方試着して確認することをおすすめします。
レディースのレーシングスーツはメンズのレーシングスーツと何が違うの?
レディースのレーシングスーツは、女性専用に設計されているため、着用したときのラインが綺麗に見えるのはもちろんのこと、フィット感や動きやすさに違いを感じられるでしょう。 ここではレディースとメンズの違いを見ていきます。
着用時のシルエット
男性と女性では体格=身体のラインが異なります。
バイク用のレーシングスーツは、レザースーツや革ツナギと呼ばれることがあるように、レザーがメイン素材です。
したがって、基本的に身体に対してタイトにフィットするシルエットとなっています。
そのため、女性が男性用を着用すると、部分的に余ったり足りなかったりと、正しく着用できません。
正しく着用できないということは、搭載された機能が充分に発揮できない可能性があるということでもあり、着る人のパフォーマンスが著しく低下する原因にもなってしまいます。
直線的な男性の体型に対して、曲線的な女性の身体にあったシルエットに設計されているレーシングスーツは、女性が着てこそその真価を発揮するのです。
着用時のフィット感
女性の体型は、肩幅が小さく胸があり、ウエストは細くお尻が出ているという曲線的なラインが特徴です。
レーシングスーツのサイズは身長を基準に選ぶのが一般的ですが、身長の小さい方だと、男性用ではサイズ設定がない可能性があります。
サイズが見つかったとしても、胸がきつかったり、逆にウエストがダボダボになってしまったり、膝の位置が合わなかったりと、フィット感がちぐはぐになってしまうこともあるでしょう。
その点、女性専用設計であれば、低身長の方に合わせたサイズ設定もあり、女性の身体のラインに合わせたカッティングがなされているのでフィット感も抜群です。
サイズ直しなどをしなくても、吊るし(店頭で売られている既製品)の中からそのまま選ぶことも可能でしょう。
レディース専用カラーが用意されている
シルエットやフィット感だけでなく、ライディングウェア同様、レーシングスーツにもレディースの専用カラーが設定されています。黒や白といった定番カラーに加え、アクセントとしてカラフルな色があしらわれたり、パステル調といった柔らかいカラーが用意されていたりするのもレディースならではの特徴です。
スピードを追求するために作られたギアだけに、ハードな印象に仕上げられていることが多いレーシングスーツ。
“かっこいい”だけじゃ物足りないと感じる女性のために、レディースラインには色使いで遊べる“華やかさ”が添えられているのも特徴となっています。
もちろん、かっこよさを求める女性のためにも、定番カラーもきちんと用意されているのでご心配なく。
レディースのレーシングスーツを選ぶ際に押さえておくべきポイント
レーシングスーツを選ぶポイントとして、基本的な部分は男女共に同じですが、女性がとくに気をつけたいのは、胸と腰回りです。 試着することはもちろんですが、その他にも女性だからこそ抑えておきたいポイントをご紹介します。
必ず一度試着してフィット感を確かめる
レーシングスーツはフィット感が命です。
初めて購入する場合は、専門店の方にレクチャーしてもらいながら選ばないと、フィッティングやサイズ選びにはコツがあるため、間違ったサイズを選んでしまうことがあります。
現在サーキット走行では胸部プロテクターがないと走れない場面が多く、女性の場合胸が潰れて苦痛だったりすることもあるので、このあたりも試着してしっかりと確認することが必要です。
レーシングスーツには、胸部とバックにプロテクターが装備されていないため、試着する際にはこれらのプロテクターを、必ず一緒に装着するようにしてください。
「女性のスタッフがいないところでの試着はちょっと…」と思う方もいるかもしれませんが、女性スタッフがいるショップも増えていますし、男性だとしても彼らはプロです。
命を預けるギア選びなだけに、そこは割り切って相談する勇気も必要です。
規格やプロテクターなどの装備を確認する
レーシングスーツを着る場所といえば、ほとんどがサーキットになるかと思います。
サーキット場、走行会、レースなどではそれぞれに、車両だけではなく、身につける装備にもレギュレーションが設けられています。
プロテクターについては、レーシングスーツに標準装備されていない胸とバックのプロテクターの装着を義務つけているところがほとんどです。
レースに出場する際にはMFJ公認モデルであることに加え、エアバッグが必須または推奨というレースも最近は増えてきています。
注意したいのは、安価なレーシングスーツの場合、女性用だからという理由で必要な規格が通っていないものがあったりすることもある点です。まずは、走る場所やレースの装備レギュレーションに沿った装備がきちんと備わっているかの確認をするようにしてください。
信頼できるブランドやメーカーで購入する
レーシングスーツはバイクに乗るうえでも特別なギアとなるため、普通のライダースジャケットや作業服などにあるウェアで代用できるものではありません。
命を守るギアであるため、レースなどで実績を積み重ねた信頼できるメーカーから選ぶことをおすすめします。
とくにレディースはメンズよりも立体的なカッティングを施す必要があるため、技術の差が出やすいでしょう。
技術の差はフィット感にも影響するので、安全性や快適性にも影響する要素となります。
また、試着やアドバイスを貰いたいときなども、信頼できるメーカーであれば安心です。
ダイネーゼの場合は研修を受けたプロのスタッフが駐在しています。
メーカーによってフィット感の解釈がそれぞれ異なるため、いろいろ試着することにより自分の身体にあったメーカーを見つけてみてください。
レディースのレーシングスーツのデメリットってある?
バイクウェア全体を見ても、レディースのラインナップはまだまだ少ないのが現実。 それだけにデメリットもいくつか存在します。 ここからは、そのデメリットについて紹介します。
サイズやフィット感に差がある
レーシングスーツはトップスとボトムスがつながって一体化しているアイテムなだけに、体型によっては既製品から選ぶのが難しい場合があります。
女性の体型は千差万別です。
胸囲や腰回り、太もも周りが足りないのに、ウエストがブカブカだったり、膝の位置が合わなかったりすることもあります。
そのため、自分の身体にジャストフィットするサイズというのは、残念ながら見つかりにくい現状です。
これは、レディースだけに限らずメンズにもいえることではありますが、メンズの場合、レディースよりもバリエーションが多いため、その分サイズ感やフィット感が良いものを選択しやすいといえます。
既製品でピッタリフィットするものが見つかったらそれはラッキーですが、おすすめは、レディースサイズをベースに、サイズのお直しをしてもらうことです。
ダイネーゼでいうところの「CUSTOM WORKS」。
どのメーカーでもイージーオーダーシステムが用意されているのでぜひ活用してみてください。
カラーの選択肢が限られる場合がある
サイズと同様、レディースのレーシングスーツはアイテム自体のバリエーションが少ないため、カラーが限られる場合があります。
女性用の場合、ピンクや水色といったパステルカラーが専用カラーとして設定されることが多く、その色が苦手だったり、黒一色だけでは物足りなかったりと、色にもこだわりを持ちたい女性にとっては、物足りなさを感じてしまうかもしれません。
そこで活用したいのが、「カスタムオーダー」です。
たとえば、ダイネーゼの「CUSTOM WORKS」の場合、単純なサイズ合わせだけではなく、フィット感、カラー、アクセサリーのすべてにおいてカスタマイズが可能となっています。
気になる方は、まずは、ショップに相談してみてください。
DAINESEのCUSTOM WORKS|カスタムワークスについて詳しく見る
おすすめのレディースレーシングスーツを紹介
「着たときのラインがきれい」と女性ライダーから口コミが多い、ダイネーゼのレディースレーシングスーツは、女性の身体にフィットするように、人間工学に基づいたデザインが施されています。 安全性が高くライディングに集中しやすい代表的な2タイプをご紹介します。
GROBNIK LADY LEATHER 1PC SUIT PERF
従来の牛革より強靭で柔らかいオリジナルのTutuカウハイドレザーと、伸縮性に優れたS1ファブリックを採用。
部分的にパンチング加工を施したレディース専用設計の新作レーシングスーツです。
肩、肘、膝には複合プロテクター、腰にPro-Shape2.0ソフトプロテクター、肩にはダイネーゼの特徴であるアルミプレート(交換可)など、サーキットでの経験やテストから培われた最高レベルの保護性能が搭載されています。
内側には柔軟性と通気性に優れた取外し可能なインナースーツがついているので、別途インナーを用意する必要もなく、自分で洗濯できるのが便利です。
背中にはウォーターバッグキットが収納できるエアロダイナミックハンプ(通称:コブ)付き。
カラーバリエーションは3つから選べます。
安全規格 | 肘に複合プロテクター(欧州安全基準CE-EN1621.1適合)
膝に複合プロテクター(欧州安全基準CE-EN1621.1適合) 肩に複合プロテクター(欧州安全基準CE-EN1621.1適合) ヒップにPro-Shape 2.0ソフトプロテクター(欧州安全基準CE-EN1621.1適合) |
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サイズ | 38〜54 |
MISANO 2 LADY D-AIR PERF. 1PC SUIT
ダイネーゼの最新エアバッグシステムD-airが搭載された、女性向けに初めて開発されたレーシングスーツMISANO 2 LADY D-AIR PERF.。
ダイネーゼのD-airは、搭載されたソフトウェアとアルゴリズムにより、ライディング中の動きを分析し、転倒につながる動きを識別することで必要に応じてエアバッグを起動させるシステムで、鎖骨や肩を保護します。
また、肘、膝、腰、肩には各種プロテクター、肩と肘にはメタルプレートを別途装備することにより、高い安全基準を確保することが可能です。
第3世代のD-airをスーツに内蔵しながらも、従来のフィット感に新しいエルゴノミクスを採用しているので着心地はそのままに、より高い快適性を実現しています。
カラーバリエーションは2タイプ展開です。
こちらも着脱可能なインナーが装備されています。
安全規格 | エアバッグ(背中・EN 1621-4 CB L2)
肩にソフトプロテクター(欧州安全基準CE-EN1621.1 Level 1適合) 肘と膝に複合プロテクター(欧州安全基準CE-EN1621.1適合) ヒップにPro-Shape 2.0ソフトプロテクター(欧州安全基準CE-EN1621.1適合) 膝に複合プロテクター(欧州安全基準CE-EN1621.1適合) |
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サイズ | 40−54 |
いきなり購入するのに抵抗がある人は、まずはレンタルしてみよう
ダイネーゼでは、レーシングスーツのレンタルサービスを行っています。
- サーキットを走ってみたいけどツナギがない。
- とりあえずどのような着心地なのか体験してみたい。
- サーキット走行でその性能を確認したい。
- まだ使用頻度が少ないので購入するか迷っている。
このような方は購入する前にレンタルでのお試しがおすすめです。レンタル期間は最大7日間。
申込みはダイネーゼの各ショップ、ダイネーゼジャパンのONLIN STOREから行えます。
ブーツ、グローブ、プロテクター、ニースライダーなどは別途用意する必要がありますが、迷ったらまずはレンタルから始めてみてはいかがでしょう。
DAINESEのレーシングスーツ レンタルサービスについて
自分に合ったレーシングスーツを着用し、楽しく安全にバイクに乗ろう
ちょっとしたアイテムなら男性用でもサイズが合えば代用可能ですが、フィット感が安全性や機能性にもつながるレーシングスーツは、女性専用のレディースサイズを選ぶことをおすすめします。
レーシングスーツの場合、女性は選べるパターンが少ないためカスタムオーダーになりがちなのですが、特別なレーシングスーツだからこそこだわって選ぶことを楽しんでみてはいかがでしょうか。
世界中のプロライダーが愛用するレーシング技術をその身に纏い、安全性と機能性を兼ね揃えたレーシングスーツで、快適なサーキット走行をお楽しみください。
※記事内の価格、情報は全て作成時点のものです。最新の情報は各ブランドページをご確認ください。
株式会社ユーロギア
記事作成 ユーロギア編集部
「モーターサイクル」「スキー」「自転車」等、アクティブスポーツを楽しむ方のためのセーフティギアを取り扱い。海外の複数スポーツブランドの総代理店として、全国に専門店を展開中。他、これらのスポーツを楽しむためのイベント開催も。
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