最終更新 2022.08.16

ヘルメットのシールド選びで変わるバイクライフ|選び方やおすすめを紹介

ヘルメットのシールド選びで迷ったら......

ライディングギアの中でも安全性や快適性、そしてスタイリングの重要なポイントとなるのがヘルメットです。
オンロードからオフロード、そしてストリートまであらゆる用途に対して、デザインから機能まで多種多様なヘルメットがリリースされています。
そのため、ヘルメット選びで大切なのは、それぞれの特徴や機能をよく知った上で、自分のスタイルやサイズに合ったヘルメットを探すことです。

今回はヘルメットの機能パーツとして重要な役割を持つ、シールドの選び方を紹介します。

ヘルメットシールドの種類

シールドと言ってもその種類は様々です。
シールドの多くは快適な走行を手助けするものですが、種類によってはちょっとしたカスタム感を味わえるものもあります。
ここからは代表的なシールドについて紹介していきます。

クリアタイプ

フルフェイスヘルメットやスポーツタイプのジェットヘルメットを購入した際に、標準で付属しているのがクリアタイプのシールドです。
無色透明のクリアタイプのシールドは、昼夜を問わずライダーの目で見たままの視界で走行できるのが最大の利点であり、魅力でもあります。
また、雨天や霧などで視界がよくない状況でも、前方の様子を確認しやすく、あらゆる状況での安全性に優れたシールドといえるでしょう。
フルフェイスヘルメットやジェットヘルメットなど、新しいヘルメットを購入する際には、まずクリアタイプのシールドからスタートするのがおすすめです。
使い始めて不満を感じたら、別売りのシールドの購入を検討しましょう。

スモークタイプ

サングラスのようにシールド本体が着色されたスモークタイプのシールドは、強い陽射しの中でもクリアな視界を確保できます。
そのため、日照時間が長く日差しが強い夏場には、まぶしさを抑えることにより安全性が確保できるのはもちろん、顔の日焼けや紫外線が気になる女性ライダーにも人気のタイプとなっています。
UVケア効果が期待できる化粧品などと組み合わせれば、スキンケアに敏感な女性ライダーも、夏場のライディングを楽しめるでしょう。
ただ、サングラスと同様に夜間やトンネルの中では視界が暗くなるため、濃い目のスモークのシールドを使用するのは日中のみがおすすめです。
また暗いトンネルではシールドを開けて走行するなど、走行状況に合わせてシールドを活用してください。

ミラータイプ

ミラーシールドはシールド表面に特殊なコーティングを施すことで、鏡のような表面になっているのが特徴です。
スモークシールド同様に、日中の陽射しをカットしてクリアな視界を保つ効果があるだけでなく、その特徴的な見た目もあって、スタイリングのワンポイントとして選ぶライダーもいるほど。
さらに鏡のような表面により、ライダーの顔が外側から見えることもありません。
例えばVblogなどで顔出しはしたくないけれど、自撮り画を多用したい、というようなライダーにもおすすめです。
ただし、注意点がひとつ。 ミラーシールドのコーティングによっては、視界全体に大きな色味の変化が生じます。
極端な色味の変化は目の疲れにつながる可能性があるため、店頭で購入する際はスタッフに声がけし、実際に屋外での視界を確認しておくことをおすすめします。
また、スモークシールド同様に(さらに暗い)夜間は視界が暗くなるため、日中以外での使用は控えた方がよいでしょう。

カラータイプ

ヘルメットのシールドには、ここまで紹介したもの以外にもさまざまな種類のシールドが存在しています。
そのひとつがカラーシールドです。
イエローやゴールド、ブルーなどのさまざまなカラーが用意されているシールドは、手軽にヘルメットのカスタムを楽しむ手段として多くのライダーたちが愛用しています。
帽体のカラーやグラフィックに合わせたり、愛車やウエアとのコーディネートを楽しんだり、カラーシールドは気軽にイメージチェンジをしたい場合におすすめのアイテムです。
ただし、ミラーシールドと同様にカラーによっては視界全体の色味が大きく変わるので、信号や標識の見やすさにも注意して選びましょう。

ピンロック

雨の日や冬場の信号待ちなどでライダーのストレスとなるシールドの曇り。
ひとたびシールドが曇ると指でシールドを拭ったり、シールドを開けて外気を取り入れない限りは、曇りを取ることはできません。
何より、シールドが曇ったままでは視界が遮られ安全な走行に支障が生じてしまいます。

そんな時に役立つのが、ピンロック(PinLock)シールドです。
これは、シールドの内側にラバートリム付きのシールドを追加し、シールドを二重構造とすることで空気の層を生み出し、吐息や外気温との温度差による曇りを防ぐ仕組みとなっています。
ピンロックはシールドに貼り付けるフィルムのような形状をしており、ピンロックに対応したシールドであれば装着が可能。

 これまでシールドの曇りに悩んできたというライダーには、ピンロック対応モデルの検討をおすすめします。

ヘルメットシールドの選び方

さまざまな種類が存在するヘルメットシールドは、用途や機能によって正しく選ぶ必要があります。
ここからは、ヘルメットシールドを選ぶ際のポイントや注意点について紹介します。

1. よく走行する時間帯で選ぶ

シールド選びでもっとも大切なポイント、それは使用する時間帯にマッチしたシールドを選ぶことです。
陽が昇っている日中しか走らないのであれば、どのようなシールドを選んでも走行に支障はありません。
しかし、日の出前や夜間に走行する場合、スモークシールドやミラーシールドでは視界が暗くなり、路面や前方の状況が把握しづらく危険を伴います。
また、カラー付きのシールドも、夜間では信号の色が見えづらくなる危険性があるため、注意が必要です。
しかし、ツーリングでは日の出前の早朝から出かけて帰宅が夜間になるというパターンもよくありますよね。
そういった場合ではクリアシールドにサングラスを組み合わせるか、インナーバイザー付きのヘルメットを選ぶのことをおすすめします。

2. 見た目・デザインで選ぶ

走る時間帯がおおよそ決まっており、それが日中であれば、見た目でシールドを選ぶのもよいでしょう。
例えばMotoGPライダーのレプリカヘルメットを使用している場合、派手なグラフィックに似合うミラーシールドを選んだり、実際のレースでライダーたちが使用するシールドを真似てみたりするのも定番のヘルメットカスタムです。
また、グラフィックや帽体のカラーに合わせて同系色のシールドを選ぶのはもちろん、まったく逆の色味をチョイスして、シールド単体を目立たせるのも定番といえるでしょう。

2. 可動式か固定式かで選ぶ

クラシックなスタイルのジェットヘルメットの場合、固定式か可動式のシールドを選ぶことができるほか、ゴーグルを使用することも可能です。
固定式のメリットは装着時のヘルメットとの一体感ですが、開閉ができないので長時間の使用や夏場には息苦しさを感じるといったデメリットもあります。
一方の可動式シールドは、ヘルメットとシールドの間に専用のステーを用いることで、シールドの開閉が可能です。
ステーによってシールドの取り付け部がヘルメットから少し浮くため、ヘルメットとの一体感がやや損なわれることと、走行風の巻き込みがデメリットといえます。
しかし、気軽に開閉できるため、信号待ちやちょっとした休憩の際にはとても便利です。
どちらにもメリット、デメリットがあるので、まずは両方を試してみることをおすすめします。

おすすめのヘルメットシールド5選

ここまでシールドの種類や特徴について紹介してきました。
ここからの項目では、ヴァレンティーノ・ロッシをはじめとする世界の一流ライダーたちに愛されてきた、イタリアの老舗ヘルメットブランド、AGVのシールドを紹介します。

スモーク

スモークタイプは、透過率によって、その濃さが異なります。
透過率50%のバイザーはスモークも薄めで、外部からライダーの表情も確認できる濃さです。
早朝や夕方などでもある程度視界が確保できるので、一般的な日帰りツーリングでもおすすめです。
また、透過率80%のバイザーはかなり濃いスモーあクとなり、外部からライダーあの顔は確認できないほどの濃さとなります。
日中の日差しを遮る効果は非常に高いので、真夏の走行にはイチオシですが、使用する際は安全性を考えて日中の使用に限定しておきましょう。

商品詳細

イリジウムブルー

鮮やかなブルーが印象的なイリジウムブルーは、AGVのミラーシールドの中でも人気の商品です。
艶やかなメタリック感の強いこのカラーは、派手なグラフィックをあしらったヘルメットとの相性も抜群といえます。
また、ブラックやカーボンのヘルメットでも映えるカラーといえるでしょう。ライダーから見た視界ですが、うっすらとブルーがかかった視界となるので、購入する際は自分の感覚とフィットするかはもちろん、信号の色味などに違和感がないかも確認しておくことをおすすめします。
このイリジウムカラーはミラーシールドとなるので、外部からはライダーの表情は確認できません。

商品詳細

イリジウムミラー

こちらはイリジウムミラー、またはイリジウムシルバーとも呼ばれるミラーシールドです。
一般的なミラーシールドといえば、鏡のような銀色のカラーが特徴ですが、AGVのイリジウムミラーは、スモークをベースにミラー化したような独特の色合いが最大の特徴となります。
角度によってはスモークシールドのようにも見えますが、実物を見るとスモークシールドにミラーを組み合わせたような外観です。
ヘルメットのグラフィックやカラー問わず合わせやすいタイプなので、初めてのミラーシールドにもおすすめ。
ライダーの視界はスモークシールドに近いため、極端に色味が変わって見えることもなく、サングラス感覚で使用できるシールドといえます。

商品詳細

イリジウムレインボー

イリジウムレインボーのミラーシールドはAGVの最高峰モデルPISTA GPにのみ設定されています。
その名の通り、シールドの表面はレインボーカラーとなり、見る角度によっては淡いイエローやピンク、パープルにも見える不思議な色合いが特徴。
ライダーからの視界ですが、どちらかというとイエローがかった視界になるので、感覚的にはまぶしさを抑えながらも路面も見やすい印象です。
たとえば天候が曇りの場合でも路面状況を確認しやすく、サーキット走行などにもおすすめ。

このカラーに限りませんが、ミラーシールドについては長時間の使用で目の疲れなどを感じる場合もあるため、実際にどのようなシーンでの使用が適正なのか迷った場合は店頭のスタッフに聞いてみるとよいでしょう。

商品詳細

レーシングバイザー

AGVではサーキット走行やレースのために専用のバイザー(シールド)を用意しています。
それがこのレーシングバイザーです。
レーシングバイザーは、万が一の転倒の際にシールドが外れにくいように、シールドの留め具をビスに置き換えた仕様が最大の特徴となります。
画像のシールドはレーシングバイザーのスモークカラーで、AGVのヘルメットではPISTA GPなどに設定されています。
サーキット走行を頻繁に楽しむ方や、レースでAGVのヘルメットを使用するライダーには定番のアイテムといえます。
もちろん公道での使用も可能ですが、シールドの開閉がやりづらくなるため、あくまでサーキットユースと考えておくとよいでしょう。

商品詳細

ヘルメットシールドの交換方法

ここからはシールドの交換方法について紹介します。 「シールドの交換は面倒なのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、シールドは、ほぼワンタッチで取り換え可能となっています。
今回は、AGVのPISTA GP RRで交換方法を紹介します。
一例として参考にしながらシールドを交換してみてください。

※メーカーやモデルによって交換方法が異なりますので、それぞれご確認ください。

フルフェイスヘルメットPISTA GP RRの場合でのシールド交換方法

MotoGPライダーも数多く使用するAGVの最高峰フルフェイスヘルメットPISTA GP RR。
レースの現場で鍛えたテクノロジーにより、サーキットでも素早くシールドを外して交換できるように考え抜かれた設計が特徴です。
シールドを交換する手順は下記となります。

手順①:軽く汚れを落とします

シールドを交換する前に、ヘルメット全体の砂や埃、汚れを軽く落としておきましょう。
交換作業の際は手や衣服がヘルメットやシールドに触れるので、汚れたままの状態ではヘルメットやシールドへの擦り傷の原因となります。
まずは軽くヘルメットやシールドを綺麗にしてからシールドの交換作業に入ります。

手順②:シールドを一番上まで上げる

シールドを一番上まで上げた状態にします。
シールドがこれ以上開かない状態まで上げましょう開けましょう。

手順③:シールド根本にあるレバーを下へ押し下げる

シールドの取り付け部分にあるプラスチック製の突起を探します。
この突起がシールドを取り外すためのレバーです。
このレバーを下へ押し下げるとシールドのロックが外れます。
なお、この作業は片側ずつおこないます。
左右どちらから外しても大丈夫です。
片側を外したら、同じように反対側のレバーを押し下げることで、シールドをヘルメットから外すことができます。

手順④:取り付けるときは逆の順序で

シールドを取り付ける際は、外した時と逆の順序で組み付けていきます。
シールドが全開状態になる位置にして、シールド取り付け部へシールドをセット。
軽く押し込めばパチっとシールドがはまるはずです。
この時、シールドの角度が大幅にずれているとうまくはまらないので、スッとはまる位置を探しましょう。
また、取り付けの際に無理にシールドを押し込んだりすると、シールドが割れたり、根本のラチェット部分が破損したりすることもあります。
シールドは軽い力で交換するように設計されているので、優しく作業しましょう。

ヘルメットシールドのお手入れ方法

ここまでシールドの種類や交換方法などを紹介しましたが、最後にシールドのお手入れについて解説します。
日帰りツーリングやナイトラン、街乗りなど、どんなに気をつけていてもシールドは汚れてしまうものです。
雨や埃、虫の死骸、雨上がりの走行でのしぶきなど、シールドが汚れる要素はたくさんあります。
一番大切なことは、シールドを乾いた状態でこすらないことです。
シールドが乾いている状態で表面をこすると、砂や埃を巻き込んだまま表面をこすることになるので、傷がついてしまう可能性があります。
また、高機能なグローブではプロテクターや生地の切り替えしのエッジがついていたりしますが、そうした鋭利な部分でシールドをぬぐってしまうことも傷の原因になるので、こちらも注意が必要です。

お手入れの基本は「水を流しながら優しく!」

シールドのお手入れで失敗しない方法は、水で流しながら優しく洗うことです。
シールド本体を外して軽く水をかけながら、指の腹で優しく表面をなでましょう。
イメージとしては、シールドと指の間に水の膜を感じながらなでるイメージです。
間違ってもシールド表面に爪を立てたりしてはいけません。 汚れがひどい場合のみ、ヘルメット用のクリーナーや中性洗剤を使ってください。
シールドのコーティングによっては、クリーナーに指定があることがあるため、それに従いましょう。
また、虫の死骸がついたまま数時間経過した場合など、なかなか水だけでは落ちにくい汚れが付着していることもあります。
そういう場合もクリーナーを使ったり、長時間水分を与えてふやかしたりするなどの工夫が必要です。
仕上げにヘルメットシールド専用のケミカルを使用すれば、曇り止めや撥水にも効果があるので、マイクロウエスなどのやわらかい布を使って塗布しましょう。

まとめ

用途やスタイルによってさまざまな種類があるヘルメットのシールド。 シールドを正しく選ぶことで、ライディングがより快適に楽しめるようになります。
そしてヘルメットのカスタムアイテムとして、別売りのシールドを選ぶのもライダーの楽しみのひとつです。

イタリアの老舗ヘルメットブランドAGVを取り扱うユーロギアでは、レースユースからストリートユース、さらにクラシックなスタイルまで、ありとあらゆるヘルメットを揃えています。
Webサイトはもちろん、全国のダイネーゼストアでもそのラインナップが確認できるので、AGVのヘルメットが気になっているライダーは一度チェックしてみてはいかがでしょうか。

※記事内の価格、情報は全て作成時点のものです。最新の情報は各ブランドページをご確認ください。

株式会社ユーロギア

記事作成 ユーロギア編集部

「モーターサイクル」「スキー」「自転車」等、アクティブスポーツを楽しむ方のためのセーフティギアを取り扱い。海外の複数スポーツブランドの総代理店として、全国に専門店を展開中。他、これらのスポーツを楽しむためのイベント開催も。

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