ヘルメットと同様に、バイクに乗るときにはグローブが欠かせませんよね。バイク用のグローブはさまざまな種類があり、季節や用途、天候などにより使い分ける必要もあります。
その中でも、走行会やレースなどといった、バイクでサーキットを走る場面では、フルフェイスヘルメット、レーシングスーツ、レーシングブーツに追加して「レーシンググローブ」の着用も必須です。
レーシンググローブは公道用に比べて、プロテクション性が高いことが第一条件とされ、手の動きを妨げない操作性のよさなどが求められます。
ここでは、レーシンググローブの購入を考えている人に向けて、レーシンググローブの役割や選び方のポイント、おすすめの商品を解説していきたいと思います。
バイク用のレーシンググローブの役割
サーキットでは、公道と比べものにならないほど速いスピード域で走るため、転倒時の体の保護を第一に考える必要があります。
そのため、レーシンググローブなどの保護具の着用は必須です。
バイク用レーシンググローブは防御性能を軸に、さまざまな役割を有しています。
ここでは、そのさまざまな役割を解説したいと思います。
転倒時などの衝撃から手や指を守ってくれる
サーキットでの転倒時は、バイクがスリップダウンしてライダーが路面を滑ることになったり、バイクから投げ出されて路面に手を打ち付けて打撲を負ったりということが想定されます。
そのため、レーシンググローブは非常に強固な防御性が求められるのです。
メイン素材は一般的に摩擦に強いレザーが使用され、手首から前腕まで広く覆ってプロテクトできるような形状となります。
また、拳や指の関節部分は、損傷しやすい部分です。そのため、関節部分にはカーボンや樹脂のプロテクターを装備し、転倒時にもプロテクターがアスファルト路面を滑るような形で関節を保護できます。
とくにダメージを受けやすい小指に関しては、専用プロテクターの追加装備も可能です。
購入前には必ずどういったプロテクト性能を有しているグローブなのかを確認しておくことが重要です。
バイクの操作性が向上する
バイク用のレーシンググローブは、手の甲の保護を強固にする一方で、てのひら側の指先近辺に関しては、なるべく手の感覚を残すようにし、操作性の向上を図っています。
サーキットでは、ウインカーやホーンのボタンを押す動作はない代わりに、繊細なスロットルワークとクラッチ操作が重要です。
レザーがメイン素材となるレーシンググローブですが、牛革は柔らかくなるまで時間がかかるので、中には柔らかくしなやかなゴートスキン(山羊革)を使用しているものもあります。また、手を握った状態に近い成形にすることで、操作性の向上を図っているレーシンググローブが一般的です。
バイクのエンジン振動が手に伝わることによる疲労を避けるため、手のひらや指の付け根部分は素材が二重になっている製品や、異種素材を組み合わせてクッション性や耐久性を向上させている製品も多く見られます。
デザイン性
市街地走行を考慮に入れる必要のないレーシンググローブは、プロテクターを多数装備するため、ツーリング用グローブに比べてゴツめのデザインになります。
加えて、目立つカラーリングやグラフィックを採用した製品が多いのが特徴です。その中でも、スタイリッシュなデザインが多いのはやはりヨーロッパのブランドでしょう。
また、レーシンググローブは、着用しているレーシングスーツやレーシングブーツのメーカー、カラーリングと合わせるのがおすすめです。全体でコーディネートすることで、自分のバイクのカラーリングを含めてこだわれます。
ダイネーゼの製品は、カラーバリエーションも豊富なので、色やデザインにしっかりこだわりたいという人にもおすすめです。
バイク用レーシンググローブの選び方
さまざまなメーカーから多種多様なバイク用レーシンググローブがリリースされている中、どのような点を重視してグローブを選べばよいか迷っている方もいることでしょう。
安全性はもちろんですが、ほかにどのような点を重視すべきかや、選び方のコツを解説します。
見た目で選ぶ
バイクでサーキットを全開走行することは、スポーツともいうべき激しい運動になり、機能性が重要になるのはいうまでもありません。
しかし、レースにエントリーする場合、同じコースを走るライダーと差別化を図る意味で、デザインにもこだわりたいものです。
また、レーシンググローブはレーシングスーツと同じメーカーで合わせたデザイン形状を採用するケースが多く見られます。
そのため、サーキット用のライディングギアは、同じメーカーの製品で揃えるのが、形状的にもデザイン的にもベストといえるでしょう。
安全性でえらぶ
マシンやコースによっては、時速300km/hを超えることもあるサーキット走行で、最も気をつかうべきは安全性です。
レーシンググローブは、手首だけでなく前腕までカバーできる形状で、指の関節や拳にプロテクターが入っているものがマストでしょう。
また、転倒時は小指にダメージを負うことが多いため、レーシンググローブの中には小指と薬指が一体となっているものが多いです。
ダイネーゼのレーシンググローブでは、小指のねじれを防止できるプロテクターDCP(ディストーションコントロール)を装備することで、小指のダメージを防いでいます。
さらに、転倒時に路面に手をついてしまった際、アスファルトとグローブがグリップしてしまうと、腕全体に衝撃が加わってしまいます。
そのようなときに、手のひらの部分にスライダーが装備されているレーシンググローブを着用すれば、手をついた際にあえて滑らせ、衝撃を和らげてくれるでしょう。
メーカーで選ぶ
レース用のライディングギアは同じメーカーの製品でそろえる方が、見た目の統一感だけでなく、形状や機能がマッチします。
また、ライディングギアのメーカーの中でも実際にプロライダーがレースで使用しているメーカーの製品が信頼性や実績があるので、おすすめです。
ダイネーゼのレース用ライディングギアは、プロライダーの愛用者も多く、信頼性や機能性が非常に高いことで知られています。
レーシンググローブは耐久性や耐摩擦性の向上のためにレザーをメイン素材として使用していることが多いです。
多くの場合、牛革を使用していますが、ダイネーゼのレーシンググローブは、手のひら側にシープスキン(羊)素材を採用する製品が多く、繊細な操作が必要なプロライダーに抜群の信頼を得ています。
サイズで選ぶ
ツーリング用のライディンググローブの場合、冬場はグローブの下にインナーグローブを着用することも多く、少し大きめのサイズを選ぶこともあります。
しかし、ライディンググローブの場合、繊細で素早いスロットル操作やクラッチ操作が必要となるため、ピッタリフィットしていて指先に余りのないものがおすすめです。
とくにライディンググローブはレザー素材が多いので、多少革が伸びることも加味したサイズ選びが必要となります。
一方でサイズがタイトすぎれば、長時間の着用で手が痛くなったり、操作しづらかったりすることも考えられ、走行タイムにも影響が出てしまうでしょう。
そういった観点から、なるべくサイズ展開が多いレーシンググローブがおすすめとなります。
規格で選ぶ
ヘルメットやレザースーツは、サーキット向けの安全規格があり、適合品でないとサーキットを走れないケースもあります。
国内のMFJ主催のレースではMFJ公認の製品である必要がありますし、FIM主催の国際レースではFIM公認が必要です。
一方、バイク用レーシンググローブに関しては厳密な規格はありません(四輪はFIA規格があります)。
ただし、レースの出走前には必ず装備品のチェックがあり、ショート丈のグローブでは走行を認められない可能性もあります。
また、グローブの破損やほつれなどもレースでの使用がNGとなることもあるので、バイクウェアメーカーのレーシンググローブを準備し、破損などがある場合は速やかに買い替えることが必要です。
バイク用におすすめ!レーシンググローブ5選
安全かつアグレッシブにサーキット走行を楽しむためには、機能性に優れたバイク用レーシンググローブが欠かせません。
ここでは、機能と安全性、さらにはデザイン性まで兼ね備えたバランスのよい、おすすめのレーシンググローブをご紹介します。
CARBON 4 LONG GLOVES
レースの技術をフィードバックし、軽量かつ丈夫なカーボンナックルプロテクターを装備したCARBON 4 LONG GLOVES。 小指のねじれを防止するダイネーゼ独自のDCPシステムを採用しており、最高レベルの安全性を実現しています。 手のひら側にはゴートスキンレザー (山羊革)を使用し、さらに親指、人差し指に補強を施すことで、しなやかな操作感と耐久性を同時に兼ね備えているのが特徴です。 指の内側側面はパンチングメッシュ加工されており、激しいライディング時の蒸れを防止し、快適な装着感を維持します。 サイズはXS〜XXXLの全7種類の細やかなサイズ展開となり、ジャストサイズを選びやすいのもうれしいポイントです。 さらに袖口の調節用ストラップによってフィット感を向上させられます。
商品詳細安全規格 | 欧州安全基準CE - Cat. II - EN 13594/2015 cat. II Level 1適合 |
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サイズ | XS〜XXXL |
主な素材 | ドラムダイ ゴートスキンレザー (山羊革)製のとても柔らかい手のひら
マイクロシープレザー(羊革) 親指、人差し指と手のひらの間にゴートスキン(山羊革)の補強 |
DRUID 4 GLOVES
拳と手の甲にカーボンプロテクター、手の側面のレザーパネル、小指側面の熱可塑性樹脂インサートなど、各所に配置されたプロテクターによって、最高レベルのプロテクション性能を持つDRUID 4 GLOVES。 もちろんDCPシステムが採用されており、万が一の転倒時にも小指を効果的に保護します。 手のひらと関節部には4方向に伸びるストレッチ素材を使用すると共に、ナックルと手の甲の間は4倍の伸縮性を確保。 さらに指の部分はカーブ成形されており、サーキットライディングに必要な繊細かつ確実な操作を可能とし、手の疲労を軽減させます。 サイズバリエーションはXS〜XXXLの7展開で、3つのカラーがラインナップされており、自分に最適なレーシンググローブを選べます。
商品詳細安全規格 | 欧州安全基準CE - Cat. II - EN 13594/2015 cat. II Level 1適合 |
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サイズ | XS〜XXXL |
主な素材 | ドラムダイ ゴートスキンレザー (山羊革)製のとても柔らかい手のひら マイクロシープレザー(羊革) 親指、人差し指と手のひらの間にゴートスキン(山羊革)の補強 シープレザー(羊革) |
STEEL-PRO IN GLOVES
拳と手の甲の部分に高耐久のスチールガード、小指にDCPシステムを装備し高い安全性を実現したSTEEL-PRO IN GLOVES。 グローブと袖がつながるInner Tech Systemを採用することで、ジャケットやレーシングスーツの袖の内側に装着することが可能となっており、すっきりとした印象を与えられます。 さらに袖口に調節用ストラップを装備し、フィット感を向上させることが可能です。 ナックルと手の甲の間は4倍の伸縮性を持ち、手首に伸縮素材のインサートを採用することで、良好な手の動かしやすさを実現しています。 掌部分はゴートスキンレザー (山羊革)を使用するとともに、マイクロインジェクション補強が行われており、しなやかさと耐久性を両立。 また、ストラップにカバーがあるので、デザイン性に優れ、車体などの引っかかりを防げます。
商品詳細安全規格 | 欧州安全基準CE - Cat. II - Pr-EN 13594 Level 1適合 |
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サイズ | XS〜XXXL |
主な素材 | ドラムダイ ゴートスキンレザー (山羊革)製のとても柔らかい手のひら
ゴートスキンレザー(山羊革) |
FULL METAL 6 GLOVES
ゴートスキン(山羊革)、カーボンファイバー、アラミド繊維、チタンなど複合的な素材を採用することで、プロテクション性と手の動かしやすさを両立したFULL METAL 6 GLOVES。 ナックルのカーボンとチタンのプレートを重ね合わせたプロテクターは、衝撃吸収性に優れ、アスファルトとの接触時の滑りを促進させます。 手首部分はライディングポジションの時に自然なカーブとなるような立体裁断仕上げがされているため、フィット感にも満足していただけるでしょう。 さらに拳と手の甲の間には、良好な可動性を確保する4層伸縮素材を使用することで、スプリントレースから長時間の耐久レースまで、手の疲れの低減が可能です。 軽量かつ卓越したプロテクション性を持つハイエンドレーシンググローブとなっています。
商品詳細安全規格 | 欧州安全基準CE - Cat. II - Pr-EN 13594 Level 1適合 |
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サイズ | XS〜XXXL |
主な素材 | ドラムダイ ゴートスキンレザー (山羊革)製のとても柔らかい手のひら
ゴートスキンレザー(山羊革) 内側にアラミド繊維ジャージによる補強 アラミド繊維の縫製 |
FULL METAL 6 REPLICA VALENTINO GLOVES
Moto GPで活躍したレジェンドライダー「ヴァレンティーノ・ロッシ」の2020カラーをイメージしたカラーリングのトップレーシンググローブ。
ヴァレンティーノ・ロッシのイメージカラーであるイエローと、ダイネーゼのロゴ、そしてヴァレンティーノ・ロッシのゼッケン「46」がデザインされており、レーシングムードを高めてくれるでしょう。
ベースとなったグローブはダイネーゼのレーシンググローブの中でもハイエンドな「FULL METAL 6 GLOVES」となっており、世界のレースでも通用するプロテクト性を有しています。
ハイレベルなデザイン性はダイネーゼならではのものとなり、ヴァレンティーノ・ロッシのファンはもちろん、人とは一味違った個性を持ちつつ、機能性も犠牲にしたくないという人にぴったりのレーシンググローブといえるでしょう。
安全規格 | 欧州安全基準CE - Cat. II - Pr-EN 13594 Level 1適合 |
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サイズ | XS〜XXXL |
主な素材 | ドラムダイ ゴートスキンレザー (山羊革)製のとても柔らかい手のひら
ゴートスキンレザー(山羊革) 内側にアラミド繊維ジャージによる補強 アラミド繊維の縫製 |
自分に合ったバイク用レーシンググローブを活用しよう!
サーキット走るなら装着が欠かせないレーシンググローブは、安全のためにもレースでの実績があるメーカーの製品がおすすめです。
ダイネーゼは国内外のトップライダーに愛用されており、安全面だけでなく機能面でも優れています。
また、国内メーカーとは違ったヨーロッパ独自のデザインも魅力のひとつといえるでしょう。
さらに、細かなサイズ展開は幅広いライダーの着用を見据えたもので、そういった意味でも自分にあったグローブ選びが可能となります。
ぜひ、ダイネーゼのレーシンググローブに注目してみてはいかがでしょうか。
※記事内の価格、情報は全て作成時点のものです。最新の情報は各ブランドページをご確認ください。
株式会社ユーロギア
記事作成 ユーロギア編集部
「モーターサイクル」「スキー」「自転車」等、アクティブスポーツを楽しむ方のためのセーフティギアを取り扱い。海外の複数スポーツブランドの総代理店として、全国に専門店を展開中。他、これらのスポーツを楽しむためのイベント開催も。
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