最終更新 2023.03.06

バイク用胸部プロテクターの選び方やタイプ別おすすめ商品を紹介!

バイクに乗るときの必須アイテムとして、プロテクターの重要性を何回かに分けてお届けしてきましたが、その中でも意識して注目したい部位が「胸部」ということをお伝えしてきました。

肩、肘、背中のプロテクターはライディングジャケットに最初から装備されているので、意識せずとも着用できますが、胸部プロテクターは自分で用意する必要があります。

たくさんの胸部プロテクターが販売されるようにはなりましたが、素材や形状により、性能がそれぞれに異なってくるため、どれを選んでいいのか解らないということで、後回しにしている方も多いのではないでしょうか?

バイク人気が高まる一方、2輪車による事故が増加しており、死亡事故の約3割が胸部の損傷によるものとなっています。本記事では、「バイク用胸部プロテクター」の重要性をもう一度見直したうえで、選び方とおすすめ商品を紹介します。

バイクの事故死亡者が損傷した主な部位の構成比率

警視庁が2022年3月に発表した「令和3年における交通事故の発生状況」の「状態別死傷者数の推移」によると、全体の死傷者数は364,767人で、前年度から2%減少しているにも関わらず、自動二輪車乗車中(原付きを除く)の傷者数については23,437人と、前年度の23,201人から1%増加しています。

さらに、バイクにおける死亡事故の原因となる、損傷主部位(2021年度)は、頭部が62.9%、ついで胸部17.1%、腹部5.7%、その他が14.3%となっています。

グラフが示す通り、過去5年間と比べると胸部と腹部の損傷による死亡事故は減少しています。
これは、警視庁などが各メーカーと協力して、胸部プロテクターの装着を推奨する運動を行ってきたことにより、胸部プロテクターに対するライダーの意識が高まり、装着率が上がった結果が数字に現れているということになります。

胸部プロテクターを付けていたことにより、守られた命があります。
それでもまだ、約2割の方が胸部に致命傷を受けていることから、改めて胸部プロテクター装着の重要性がわかると思います。

バイク用胸部プロテクターが必要な理由

ヘルメットと違い、プロテクターをつけずにバイクに乗っていても違法にはなりません。 しかしながら、胸部プロテクターの装着が強く推奨されているのはなぜでしょう?その重要性をお伝えしたいと思います。

胸部へのダメージは致命傷になりやすい

胸部には人間が生きていく上で欠かせない臓器が集中していることは、皆さんご存知かと思います。
生身に近い状態で高速走行が楽しめるのが、バイクの醍醐味でもありますが、いざというときに身体を守ってくれるものは何もありません。生身のまま、胸部に直接的な衝撃を受けてしまったら、どうなってしまうのでしょうか?

車やガードレールなどに衝突した際に胸部や腹部を強打することにより、内臓破裂を起こしたり、折れた肋骨が内臓に刺さるといった、命に関わる深刻な事態を招いてしまいます。
また、倒れた際に自分のバイクのハンドルが胸部に突き刺さってしまった…なんていうことも報告されています。

こういった事態を防ぎ、被害を最小限に抑えるために、胸部プロテクターが誕生したのです。
そもそも胸部プロテクターが登場したのは1994年と、他のプロテクターに比べると歴史が浅く、近年までその重要性はほとんど取り上げられていませんでした。

日本では白バイ隊員の殉職を減らすために、警視庁が国内バイクメーカーの用品部門と開発を進め、製品化されたのが始まりとなり、これをベースにさまざまなメーカーからたくさんの種類の胸部プロテクターが販売されるようになりました。

これにより、白バイ隊員の胸部損傷による殉職数は大幅に減ったそうです。

バイク用胸部プロテクターを装着しない理由

2022年7月から8月にかけて各警察署における街頭活動を通じて二輪車利用者から聞き取り調査を実施した結果、胸部プロテクターの着用状況(調査人数 3,174人)は8.9%で、11人にひとりしか装着していないという低い数字となりました。

前回調査と比較しても0.3ポイントしか増加していないということになります。
胸部プロテクターの重要性を警視庁や各メディアが訴えているにもかかわらず、装着率が増えない理由はどうしてなのでしょう。

下記のような答えが挙げられています。

  • プロテクターを着用するのは面倒
  • プロテクターを買う余裕がない、プロテクターが高い
  • そもそもプロテクターの存在を知らない
  • 自分は事故をしないと思っている
  • プロテクターがダサい

<参考>

これらの内容を具体的に見ていきましょう。

胸部プロテクターの着用が面倒

「装着しない理由」として40.6%の人が「装着が面倒」と答えていました。
確かに胸部プロテクターは、ジャケットに標準で装着されているものが少なく、別途用意しなければならないため、いちいち装着するのが面倒に感じてしまうかもしれませんね。

しかしながら、胸部プロテクターの大切さが普及されてきた近年では、胸部プロテクターを標準装備しているジャケットも増えてきました。
さらには、プロテクターを装備している着るプロテクター「インナープロテクター」も登場しているので、面倒と感じる人は、それらを活用するのがいいでしょう。

胸部プロテクターが高い

次に多かったのが20.9%で「値段が高い」という回答。確かに良いものでは1万円以上、安くても5000円位とジャケットとは別に購入しなければならないのでそれなりにコストがかかってしまいます。

それでも、たくさんの種類の胸部プロテクターが登場しているので、ちょっと前までと比べたらそこまで高価という価格ではなくなってきています。
自分の命を守るギアとしては「お安い」と考えたほうが安全ではないでしょうか?

胸部プロテクターがダサい

格好が悪いからつけたくない…という人も2.4%いました。
胸部プロテクターを付けると、マッチョに見えたり、ちょっと太めに見えてしまったりしますよね。

それは、着ているジャケットのサイズがあっていないからかもしれません。
最初から胸部プロテクターを付ける前提でアウターを選んでいたら、見た目もスッキリするはずです。

ジャケットを選ぶ際に、胸部プロテクターをつけて試着することをおすすめします。
動きにくさも改善されますよ。

これからは、胸部プロテクターありきでアウターを選ぶ時代です。
それに、今はプロテクターを付けていたほうが、かっこいいライダーなのです。

自分は事故をしないと思っている

その他に「自分は事故をしないからいらない」、という理由も挙げられていました。
自分では事故を起さないかもしれませんが、悲しいかな、事故はもらってしまう可能性が大きいものです。

いくら自分だけが注意していても避けられないことであり、ぶつけられてしまったら、生身で運転しているバイクにとっては、大きな怪我につながってしまいます。
バイクに乗るときは、自分は事故に合わない、しない、といった過信は禁物。胸部プロテクターでもしっかりと武装することを心がけたいものです。

バイクプロテクターを選ぶポイント4つ

実際に胸部プロテクターを選ぶときに、何をポイントとするべきか?
以下が考えられます。

  • バイク用プロテクターの素材で選ぶ
  • バイク用プロテクターの装着方法で選ぶ
  • バイク用プロテクターの規格で選ぶ
  • 性別に合ったバイク用プロテクターを選ぶ基本は、自分のライディングスタイルに合わせて選ぶこと。

基本は、自分のライディングスタイルに合わせて選ぶこと。それに上記の4つを基準に選ぶことをお薦めします。

バイク用プロテクターの素材で選ぶ

プロテクターに採用されている素材は、大まかにハードタイプとソフトタイプに分けることができます。
ハードタイプは文字通り硬い素材で構成されており、どちらかといえば尖ったものが突き刺さりにくい性質となっています。

ソフトタイプは柔らかい素材で作られているものを指し、軽量で装着感が良いという利点があります。
また、ソフトタイプでも、衝撃を受けると分子が結合し、その時だけハードタイプに変化する素材もあるなど、それぞれに特性が違うため、ハードでもソフトでもプロテクターの基本的な機能である、衝撃を吸収して拡散する働きに優劣を付けることはできません。

安全性や特徴はそれぞれ異なるので、その特徴を吟味したうえで選ぶことをおすすめします。

バイク用胸部プロテクターの装着方法で選ぶ

胸部プロテクターには、ジャケットに内蔵できるタイプと、ハーネスなどを使って単体で装着するタイプ、またはインナーに装備されているタイプが存在します。
取り入れやすいのはジャケット内蔵型ですが、対応しているジャケットでないと装着できないのが難点となっています。

既存のジャケットでも活用したい、ジャケットを選ばずに装着したいのであれば、胸部プロテクター専用のベルトやハーネスに対応している、単体の胸部プロテクターを選ぶ必要があります。
これはジャケットの中に着込むのが一般的となっています。

その他に、レザースーツ専用のチェストプロテクターや、プロテクターが装着されていないアウターのインナーとして着用できるインナープロテクターの存在もあるので、自分のスタイルに合わせてお選びください。

バイク用胸部プロテクターの規格で選ぶ

JISやGSなど、バイク用品には使用する際の安全を保証する規格がそれぞれに採用されています。
プロテクターもこれを基準に選びたいところなのですが、なんと、胸部プロテクターを含め、バイク用のプロテクターには、日本で正式に定められている安全規格がありません。

なので、プロテクターの場合は、ヨーロッパで使用されている「CE規格」が安全性を測る目安とされています。
「CE規格」とは、ヨーロッパ連合で流通や販売する工業製品に必要な安全規格となり、ヨーロッパでプロテクターを販売するためには、必ずこの規格をクリアしていなければなりません。

CE規格をクリアするには、衝撃を基準の一定のレベルまでに抑える事が出来る事が条件となっており、この厳しい基準をクリアしたCE規格は、今や全世界において、プロテクターにおける安全基準のスタンダードとなりつつあります。

プロテクターを選ぶ際に、このCE規格をクリアした証である、CEマークがついているか否かをチェックすることをおすすめします。
また、JMCA(全国二輪車用品連合会)でも、『JMCA胸部プロテクター推奨制度』を行っており、EC規格(prEN1621-3)をクリアした胸部プロテクターを『推奨』として、JMCA推奨ステッカーを商品パッケージに貼付しているので、これを目安にすることもできます。

性別に合ったバイク用の胸部プロテクターを選ぶ

残念ながら胸部プロテクターはワンサイズでサイズを選べないのがほとんどです。
人間工学的にサイズが考えられているとはいえ、その着用感に慣れるまで時間がかかるのは事実です。

それを理由に装着を避けている人もいるのではないでしょうか?
それでも少数ではありますが、体型に合わせたプロテクターが存在します。

特に、女性特有の体型を考慮した胸部プロテクターも販売されているので、必要であれば、それを活用してみてはいかがでしょう。
胸が大きめだったり、潰れてしまう感覚が苦手だったり、男性と同じサイズでは大きすぎる…、という方にはおすすめです。

女性専用の難点としては、自分の胸の位置に合わないと使いにくい(合う人はOK)、または胸が強調されてしまうこと、かもしれません。
グラマラスになりますよ(笑)

それぞれの体型に合わせて選べるようになるには、もっともっと胸部プロテクターの使用率が上がる必要があるのかもしれませんね。

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胸部プロテクターを装着して安全なバイクライフを楽しみましょう

「まだ自分はいいか…」とその存在を知っていながらも、胸部プロテクターの導入を後回しにしていませんか?
長いバイクの歴史から比べると、近年開発され、推奨され始めたばかりのアイテムだけに、ライダーにとっては馴染みが浅いのかもしれません。

それでも、最近バイクに乗り始めた若いライダーにとっては、必需品となりつつあり、教習場で義務化していることもあって、装着率は高めとなっているようです。
むしろコスプレ感覚で、プロテクターを付けていたほうが「かっこいいライダー」なんだそうですよ。

胸部プロテクターの装着によって守られている命があります。安全意識を高めることは、ライディングスキルの上達にも繋がります。
信頼の置けるウエアに身を包んで、楽しいバイクライフをお過ごしください。

株式会社ユーロギア

記事作成 ユーロギア編集部

「モーターサイクル」「スキー」「自転車」等、アクティブスポーツを楽しむ方のためのセーフティギアを取り扱い。海外の複数スポーツブランドの総代理店として、全国に専門店を展開中。他、これらのスポーツを楽しむためのイベント開催も。

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