バイクで走るとき、地図アプリなどを利用することで、より豊かで快適なツーリングを楽しめます。
しかし、走行時間によっては、スマホの電源がなくなってしまうこともあるでしょう。
そのようなときは、バイク用スマホ充電器を使用するのがおすすめです。
そこで今回は、バイク用スマホ充電器について、配線の方法からメリット・デメリットまで徹底解説します。
最後におすすめの機種もご紹介しますので、ご自身のバイクライフの参考にしてみてください。
バイク用スマホ充電器の配線方法は3種類
バイクにスマホ充電器を設置するには、3つの方法があることを知っておきましょう。
電気配線のため、複数選択することはできず、どれか1つの方法を選ぶことになります。
何を優先したいかを考えたうえで選択しましょう。
バッテリー直接配線
この方法は、「バッ直」などと略され、充電器の配線を直接バッテリーにつないで給電する方法です。
この方法のメリットは以下のとおりとなります。
- 配線は非常に簡単
- バッテリー直結なので電圧が安定している
- エンジンを止めても充電ができる
しかし、以下のようなデメリットもあります。
- バッテリーから直接電源をとるため、バッテリーの消耗が早くなることが多い
- エンジン停止時も充電し続けるため、バッテリーが上がってしまうことがある (スイッチつきのタイプを選べば防止できます)
- ハンドル部までの配線途中にエンジンがあるため、配線時に熱対策をしなければならない
- 作業時や転倒時にショートさせてしまう危険性が高い
そのため、配線方法としては最も単純ですが、デメリットも多いため、できればこの方法は避けたほうがいいでしょう。
アクセサリー電源からの分岐配線
この方法は、バイクのメインキーをオンまたはアクセサリー(ACC)にすることで、バイク用スマホ充電器の電源がオンになり、電流が流れる配線です。
メリットは以下のとおりです。
- エンジンキーをオフにすれば、充電器に流れる電流もオフになる
- 充電器をつないだままエンジンを止めても、バッテリーが上がる心配はない
しかし、以下のようなデメリットもあります。
- 後付けする場合に、簡単な配線の知識が必要
- たとえばヒューズから電源を取る場合、ECUなど、取ってはいけない箇所があることに注意
ECUとは、エンジンなどを制御しているコンピューターのことであり、電源を取ったために電圧が下がると誤作動を起こす危険性があるため注意が必要です。
また、ヘッドライトやウインカーなど他のアクセサリーも同様に、配線を分岐させてしまうと電圧低下を起こし、思うように作動しないことがあります。
これらの点に注意しながら配線すれば、難しくはありません。
そのため、今回紹介する方法の中で、最もおすすめしたい方法です。
継電器(リレー)を利用した分岐配線
継電器(リレー)を分岐配線に組み入れる配線は、前の2つの方法のデメリットを解決する方法です。
メリットは以下のとおり。
- 他の回路の電圧降下を防止する
- キーのオン・オフに連動しているため、充電器をつないだままでもバッテリー上がりの心配がない
- 接続したスマホに余計に電流が流れることを防げる
しかし、以下のようなデメリットもあります。
- 配線方法は少し複雑で、4~5本ある配線を正しく取り付けなければならない
- 初めての場合は、部品の買い忘れや配線間違いを起こす可能性が高い
初心者には少し難しいかもしれませんが、あらかじめセットになっている商品を選べば最も安心で確実な方法といえるでしょう。
バイク用のスマホ充電器を選ぶ際のポイント
バイク用スマホ充電器は、効率よく充電できる製品を選びたいものです。 ここからは、バイク用スマホ充電器を選ぶポイントを紹介します。
電流出力がデバイスに適しているか確認する
バイク用スマホ充電器を選ぶにあたっては、スマホに適合した電流出力があるかどうかが重要です。
USB電源に必要なA(アンペア)数は、機器によって大きく異なります。
電流が少ないと充電に時間がかかり、電流が多すぎるとスマホが故障する原因にもつながるでしょう。
スマホを充電するには、2A以上の出力があれば問題なく充電できます。
そのため、バイク用スマホ充電器を選ぶ際には、必ず2A以上の充電器を選ぶようにしましょう。
悪天候でも利用可能な防水型を選ぶ
バイク用スマホ充電器を選ぶ際には、防水性能も重要なポイントです。
バイクの電源は常に雨や湿気にさらされるため、防水型であれば雨の日でも安心して利用できます。
一部の製品には、電源にキャップがついているので、雨にぬれにくくなるでしょう。 しかし、防水機能のない充電器を使用すると、最悪の場合、雨で回路がショートしてヒューズが飛んでしまい、バイクのエンジンがかからなくなる可能性もあります。
電気と水は大敵であるため、防水機能が備わった充電器をおすすめします。
利用機器数に合わせてシガーソケット型も検討する
電子機器を充電するための電源としては、USBの他に、昔から使われてきた「シガーソケット(アクセサリーソケット)」もあります。
文字通り、シガー(煙草)に火をつけるために作られたもので、USBに比べて電流が多いのが特徴です。
具体的には、シガーソケットが12V・10Aであるのに対し、USBは5V・1.5Aが一般的となります。
これほどの違いがあるため、速やかに充電したい機器はシガーソケットに差す充電器で行い、その他の電子機器はUSBで充電するのが賢い方法といえるでしょう。
ショップでは、シガーソケットとUSBが一緒に搭載されている製品も売られています。
そのような製品を選べば、目的に応じて接続機器をつなげられますよ。
バッテリー直接配線ならスイッチ付きを選ぶ
バッテリーに直接ケーブルを接続して給電するタイプの充電器では、バイクのエンジンを止めてもバッテリーからの電流が流れたままとなります。
そのため、久しぶりにバイクに乗ろうとしたら、バッテリーが上がっていたということにもなりかねません。
これを防ぐには、接続機器への電力供給をオン・オフできるスイッチ付きの充電器を選ぶことがおすすめです。
スイッチは、メーターパネルの周囲など、よく見える箇所に設置すれば、消し忘れも防げるでしょう。
また、不意に雨に遭うことも考え、スイッチは防水タイプを選ぶこともおすすめです。
バイクにカウルがある場合は、カウル内やカウルポケット内に取り付けると、スッキリとした見た目に仕上がります。
大型バイクの場合はケーブルが長いものを選ぶ
大型バイク、とくにハーレーなど車体が長いバイクの場合は、バイク用スマホ充電器のケーブルが長いものを選びましょう。
多くの場合、バッテリーはシート下にありますが、そこからハンドル部分まで少なくとも1.5mは必要です。
これぐらいの長さがないとバッテリーまで届かないこともあり、配線を加工して継ぎ足すのはあとで接触不良になったり外れたりする可能性もあるため、おすすめできません。
また、長さに余裕があれば、エンジンや車体などの熱くなる部分を避けて配線を取り回せます。
長ければ切ればいいだけなので、余裕のある長さの充電器を選びましょう。
これは配線したあとの安定した電源供給にもつながります。
バイク用USB電源に関するよくある質問
次に、バイク用USB電源についてよくある質問をまとめてみました。 どれもが代表的な質問ですので、回答を確認し、USB電源を選ぶ際に役立ててください。
A(アンペア)とW(ワット)の違いは何?
電気にはA(アンペア)、V(ボルト)、W(ワット)などさまざまな単位があります。
A(アンペア)は電気が流れる量(電流)、V(ボルト)は電気を押し出す力(電圧)、W(ワット)は消費される電気エネルギー量(消費電力)のことです。
そしてUSB電源には、出力がアンペア表記の製品と、ワット表記の製品があります。
WはV×Aで計算されるため、5Vの2.5Aと表記された製品は12.5Wです。
一般的なUSB電源の出力は10~12Wであり、より高い出力の製品ほど充電速度が速くなります。
したがって、充電速度の早い製品を選びたい場合は、W数が多いものを選ぶとよいでしょう。
ワイヤレス充電もあるの?
バイク用スマホ充電器には、ワイヤレスタイプがあります。
スマホを置く場所の上下左右にクランプ(押さえ金具)があり、スマホを設置するだけで充電が始まります。
ケーブルの面倒な抜き差しがないため簡単に充電することが可能です。
ただし、走行中の落下や、バイクを離れるときの盗難には注意しなければいけません。
また、ワイヤレス充電には対応していないスマホもありますので、購入前にスマホのスペックを確認するようにしてください。
バイクショップで取り付けてもらう場合の工賃ってどれくらい?
バイク用スマホ充電器を取り付ける場合、バイクショップに依頼すれば最も綺麗かつ安全に取り付けられます。
ただし、取り付け工賃がかかるため、自分で設置するよりも費用がかかる点には注意が必要です。
工賃は時間によって決まることが多く、取り付けに時間かかるほど高くなります。
たとえば、フルカウルやスクーターなどでは、カウルを外したり戻したりするのに時間がかかるため、工賃は少し高くなるでしょう。
ただし、作業工程はバッテリーからハンドル部分まで配線を引くことがメインとなるため、それほど長い時間はかかりません。おおよその相場として、工賃で5,000~7,000円ほど、商品代金が加わると1万円以内に収まるでしょう。
とくにリレー式配線を行う場合は、ショップに依頼するのがおすすめです。
また、バッテリー直結やアクセサリーからの分岐配線においても、エンジンの熱をどう遮断するかが大切なポイントとなります。
そのため、バイク用スマホ充電器の取り付けは、ショッにお願いすることがベストです。
おすすめのバイク用スマホ充電器3選
最後に、おすすめのバイク用スマホ充電器をご紹介します。 ワイヤレス充電器、スマホホルダー一体型充電器、防水型USB充電器で、それぞれ違うタイプの製品ですが、3つとも優れた性能を発揮する充電器となっています。 ぜひ参考にしてください。
IP66防水防塵 ワイヤレス充電ヘッド モーターサイクル用 V3
QuadLock(クアッドロック)製ワイヤレス充電器で、IP66規格を満たした防水製を備えています。
バイクへの固定方法は、専用金具でワンタッチ装着するだけ。
充電器への給電はUSB端子からのポート経由となりますが、ワイヤレス充電のため充電器本体とスマホをつなぐケーブルはなく、安定した電源をスマホに送れます。
充電可能な状態か否かを本体前面のLEDライトで教えてくれるのもありがたい装備です。
なお【IP66】とはIEC(国際電気標準会議)およびJIS(日本工業規格)で定められた防水性能で、66は強風時に粉塵が内部に入らず、台風などの激しい雨でも浸水の恐れがないとされています。
IP66防水防塵/IPX6防水 USBチャージャー モーターサイクル用
クアッドロックの各種モーターサイクル用マウントの下面にUSB電源を目立たないように配置出来る製品です。 出力は最大18W。 IP66防水規格をクリアしているので、防水性能は非常に高いといえるでしょう。 USBポートからの給電のため、ご自身のデバイスがワイヤレスか否かにかかわらず、幅広く対応が可能です。
商品詳細防水12V-USBスマートアダプター
ワイヤレス充電ヘッドに給電するためのケーブル、USBジャックなど、ワイヤレス充電に必要なものがすべて付属しています。 出力は最大18W。 複数のスイッチングモードを搭載し、オン、オフ、オートの3モードがあります。 たとえば、オート機能では、バッテリー電圧が13.5V以上にならないと給電せず、電圧が12.5V以下になると自動的にオフにします。 これによってバイクのバッテリーの消耗を防ぐ親切設計です。 バッテリーへの配線は、直接またはSAEポート経由で行えます。 もしも付属のバッテリーリング端子のプラスマイナスを間違えて配線しても、回路が働いてバッテリーを保護してくれる点も嬉しいポイントです。
商品詳細バイク用スマホ充電器を設置して、長距離ツーリングを楽しもう!
今や、日常生活に欠かせない存在となっているスマホですが、それをライディング中で充電できるようにしたのが、バイク用スマホ充電器です。
まずは本記事で紹介した3種類の配線方法をよく理解し、そのうえで製品選びをしましょう。そしてUSB電源は、防水性能が高いものを選ぶことが大切です。
突然の雨にも安心で、長期的に見てもショートなどの心配が少なくすみます。
なかでもおすすめなのがQuadLock製バイク用スマホ充電器で、どの製品も優れた防水性能を発揮します。
QuadLock製スマホ充電器によって、スマホのある快適なバイクライフを実現しましょう。
※記事内の価格、情報は全て作成時点のものです。最新の情報は各ブランドページをご確認ください。
株式会社ユーロギア
記事作成 ユーロギア編集部
「モーターサイクル」「スキー」「自転車」等、アクティブスポーツを楽しむ方のためのセーフティギアを取り扱い。海外の複数スポーツブランドの総代理店として、全国に専門店を展開中。他、これらのスポーツを楽しむためのイベント開催も。
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